仮想通貨アナリストは、2023年までにトークン化された現実世界の資産(RWA)が30兆ドルに達するという強気な予測に懐疑的な見方を示している。その代わりに、その5%程度が現実的な目標だとアナリストは指摘した。
「現在の2年間の年平均成長率(CAGR)が121%のまま続くなら、2030年までにトークン化された伝統的な資産は約1.3兆ドルに達する可能性がある」と、リアルビジョンのチーフ仮想通貨アナリストであるジェイミー・クーツ氏は8月27日のX投稿で述べた。
Tokenized Assets (Non-Stablecoins) Graph. Source: Jamie Coutts
資産のトークン化とは、実際のデジタル取引可能な資産を表すセキュリティトークンを発行するプロセスだ。これらのトークンは、不動産や債券から芸術品や株式まで、あらゆるものを表すことができる。
6月に、スタンダードチャータード銀行とシンパルスは、2034年までにトークン化されたRWAが30.1兆ドルに達する可能性があると予測した。
クーツ氏はウォール街の予測を「過度に楽観的」と考えているが、彼のより保守的な見積もりでも、もし実現すればWeb3エコシステムに大きな影響を与える可能性があるという。クーツ氏は、1.3兆ドルがオンチェーンの現実世界の資産(RWA)であれば、NFT、ソーシャルプラットフォーム、ゲームなどの仮想通貨エコシステムの他の部分に「巨大なフライホイール効果」を生み出すだろうと考えている。
イーサリアムにとって何を意味するのか?
しかし、伝統的金融(TradFi)資産発行者のプラットフォームとして好まれるイーサリアムでの「価値の蓄積」は計算が難しいと彼は主張した。これは、レイヤー2ネットワークがどれだけの市場シェアを獲得するかによって、イーサリアムネットワーク自体がどれだけの価値を獲得するかが変わるためだ。
「レイヤー2は収益の95-99%を獲得し、残りがETHに決済コストとして支払われる可能性がある」とクーツ氏は述べ、「レイヤー2が自分たちの収益源を手放してL1をスケールさせることはないだろう」と語った。
「もしETHがL1をスケールさせれば、より多くの機会を獲得することができる。これが現在のイーサリアムのジレンマだ」とした。
6月にコンサルティング会社マッキンゼーは、トークン化された金融資産は「冷え込んだスタート」を切ったが、2030年までに約2兆ドルの市場規模に達する見込みだと予測した。
マッキンゼーのアナリストは、トークン化が従来の金融システムに対して利益を提供するユースケースを必要としているとし、「その一例が債券のトークン化だ」とのべた。
一方、4月には、リップルXのシニアバイスプレジデントであるマーカス・インファンガー氏がコインテレグラフに対し、調査によればトークン化された市場の将来価値は16兆ドルに達し、仮想通貨全体の時価総額の約8倍になると語った。
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