ビットコイン(BTC)は先週に11.4%の下落となった。この急落は予想外にみえ、普通ではないように思われたかもしれない。だが、3月に50%以上暴落した大幅な調整以来、これまで調整がなかったことこそが普通ではなかったのである。

一部のアナリストや投資家は、新しく出現した分散型金融(DeFi)トークンが暴騰する様子を見て、現在のDeFiブームが過熱している兆候だと指摘している。

しまし、ほとんどのプロジェクトがメインネットを立ち上げることさえできなかった2017年のICOバブルとは異なり、現在のほとんどのDeFiトークンには既に機能するプロダクトが存在する。

各プロジェクトの長所や短所とは関係なく、潜在的なクラッシュの兆候を探すためには、より広範な市場指標に焦点を当てることが重要だ。

ビットコインのボラティリティは比較的なだらか

ビットコインの実現ボラティリティは、デイリーの価格変動の大きさを測定するものだ。ボラティリティが高いことは、価格が時間の経過とともに大きく変化する可能性があることを示す。

直観に反するように聞こえるかもしれないが、ボラティリティが低い期間があるほど、爆発的な値動きとなるリスクが高くなる。これは、実現ボラティリティが後ろ向きの指標であることによるものだ。静かな時期には、トレーダーは過剰なレバレッジを取る傾向があり、突然の価格変動時にはポジションの大規模な清算を引き起こすことになる。

Bitcoin 3-months realized volatility

出典: Skew BTCの3ヶ月間の実現ボラティリティ

スキュー(Skew)のデータは、ビットコインの90日間のボラティリティが、9月1日時点で42%であったことを示している。これは2017以来で最低レベルに近い水準にある。これは、静かなボラティリティ機関が、今後価格が急落するという指標ではない。

ボラティリティは強気市場と弱気市場とを区別することはない。これは日々の変動のみを測定しているからだ。現在の市場の行動を理解するためには、最近のビットコインのパフォーマンスに焦点を当てる必要がある。

ビットコインが1900%の上昇となった2017年の強気相場においても、週間で5%以上下落するような落ち込みに直面していた。2017年の信じられないような強気相場でも、価格が大幅に下落したネガティブ週は13回あった。

先週、ビットコインが11.4%下落する前、ビットコインは3月11日以来、146%上昇している。以下の表は、この期間における上昇した週、下落した週をまとめたものだ。

Bitcoin top and bottom weeks since March 11

出典: Investing 3月11日以降のビットコインの週間の価格変動

この表を見る際に、5%以上の下落を記録した週がないことに注目して欲しい。これはビットコインの歴史の中では前例のないことだ。この動きは明らかに異常値としてマークされるだろう。おそらくこれは非合理的な熱狂があった兆候だ。

ビットコインのドミナンスの低下

ビットコインのドミナンスは通常それほど意味があるものではない。一部の批評家は、アルトコインとビットコインを区別することを嫌い、この数値を重視しない場合もある。ただBTCのドミナンスが減少している間、強気市場となっていた場合もある。

Bitcoin dominance (% terms)

出典: TradingView ビットコインのドミナンス

上記のチャートをみると、ビットコインのドミナンスは過去4ヶ月間で69%から59%にまで低下している。ビットコインのドミナンスがこれほど減少していったのは、2年前の2018年4月の時以来だ。

この59%という数字が、極端な数字ではないことに注意して欲しい。過去14ヶ月で最も低い数値ではあるが、2018年のほとんどの期間や2019年半ばにはドミナンスは60%未満だった。

ビットコインのプットコール率

オプション市場は2つの異なるものに分けられる。まずコール(購入)オプションは、買い手が後で固定価格でBTCを購入できるようにするものだ。このデリバティブは、中立的もしくは強気の戦略で使用される。

もう一方のプット(売却)オプションでは、将来の市場の動きに関係なく、BTCを固定価格で売却する機能を提供する。この手段は、防衛戦略としてよく使われ、中立的もしくは弱気なセンチメントを示している。

Bitcoin options put/call ratio

 出典: Skew BTCオプションのプット/コール比率

プット(売却)オプションがより多く使用されると、プット/コール指標はより高くシフトすることになり、弱気を示唆するものとなる。上のチャートは、コール(購入)オプションに対するプット(売却)オプションの建玉が最高レベルに近くになっていることを示している。

9月1日に見られた78%という比率は、プット(売却)オプションの建玉が、コール(購入)オプションよりも22%少ないということを意味する。弱気の風景からはほど遠いものの、プット/コール指標は過去12ヶ月間で最高レベルに近づいていた。

大幅な価格変動を示していた指標

実現ボラティリティとBTCドミナンスの両方が、11.4%の落ち込みを前にして12ヶ月ぶりの底値を記録していることに注目してみよう。これらの指標の絶対値自体は弱気ではなかったため、投資家はこれらを過去のデータと比較するために骨が折れることになっただろう。

最高値になるかどうかを予測するのは難しいが、複数の指標が過去1年で最高値や最低値に達した場合には、大幅な価格変動に備える必要があるだろう。

またオプションのプット/コール比率は、確かに憂慮すべきものだった。過去1年でピークに近づいていたので、投資家はそれを弱気のシグナルとして解釈すべきだっただろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります。