民主党の大統領候補者争いが混迷を極めている。

先月まで大本命とされてきたオバマ政権時代の副大統領ジョー・バイデン氏がまさかの失速。アイオワ州の党員集会では全体4位、現在行われているニューハンプシャー州の予備選では5位と大幅に出遅れた。

バイデン氏は、いわゆる穏健派・主流派の候補。民主党のエスタブリッシュメントからの支持が高く、大統領になっても民主党にとって政策や人柄等でサプライズの少ない安心できる候補とみられている。

しかし、強みであるはずだった全国の世論調査でも失速中だ。2月11日に発表されたモーニングコンサルトの世論調査によると、バイデン氏の支持率は22%。25%を獲得したバーニー・サンダース氏に追い抜かれてしまった。

ブディジェッジ氏では役不足

そんな中、穏健派でバイデン氏の代わりになる候補として注目されているのは、インディアナ州サウスベンド市の元市長であるピート・ブディジェッジ氏だ。同性愛者で38歳と若い候補であり、今回の選挙キャンペーンで全国的に知名度を大きく上げた。

しかし、大統領選の本戦でトランプ大統領と戦えるまでには至らないというのが大勢の見方だろう。

ブディジェッジ氏は、そもそもアイオワ州とニューハンプシャー州での初戦にかけており資金も大量に投入していた。裏を返せば、それ以外の州での知名度に関しては不透明であり、バイデン氏の代役を担えるかは疑問符がつく。

また、民主党にとって重要な支持層である黒人層に弱いということも懸念材料だ。

さらに、米議会議員や閣僚など国を代表する政治家としての経験がないことは致命傷かもしれない。田舎であるインディアナ州サウスベント市の市長だった彼は大統領になって何ができるのか、疑問視する声は民主党内からも出ている。

「社会主義者」サンダース

となると、残るはバーニー・サンダース氏とマイケル・ブルームバーグ氏だ(一応主要候補であるエリザベス・ウォーレン氏とエイミー・クロブシャー氏は厳しい戦いを強いられている)。

まずはサンダース氏。日本のメディアでは「急進左派」と呼ばれているが、つまるところ「社会主義者」という見方が多い。そして、旧ソ連との冷戦を戦った資本主義大国のアメリカにおいて社会主義者に対するアレルギーは強い。社会保険システムを国が管理する、最低時給を15ドルにする、ウォール街の金持ちに増税をする…など、大きな政府を前提にした主張を繰り返しているが、過去にはさらに凄まじい発言をしていた。

「自分が使える以上にお金を稼ぐことは違法にするべきだ」

CNNによると、サーンダース氏は1970年代にこの最大賃金キャップを提案。サンダース氏は質問者に対して何年前の話だと反論しているものの、民主党寄りのメディアであるCNNですら最大賃金キャップというアイデアは行き過ぎていると考えているようだ。

「人種差別主義者」ブルームバーグ

では元ニューヨーク市長でブルームバーグ創業者のマイケル・ブルームバーグ氏はどうだろうか。

実は同氏は現在、人種差別主義者としてソーシャルメディアを中心に炎上中だ。

発端は、ブルームバーグ氏が2015年にアスペン・シンスティチュートに対して話した発言。ニューヨーク市長として治安の改善に努めていた同氏は、「少数派(マイノリティ)が住む地域で全ての犯罪が起きている」とし、「我々は全ての警察を少数派の地域に投入している」と述べた。

また若い少数派の住民に対して「壁に押し付けて身体検査をしている」と話した。

「(ほぼ全ての殺人犯と被害者は)男で少数派で15~25歳だ。ニューヨークではそうだし、事実上アメリカの全ての都市でそうだろう」

この発言に対して、トランプ陣営を中心にブルームバーグ氏は人種差