3月に3000%以上のリターンを獲得した米ヘッジファンド「ユニバーサ・インベストメンツ」が4月7日に投資家向けに手紙を出して今後の世界経済の展望した。新型コロナウイルスに端を発した世界的な経済危機は「まだ終わらない」という見方を示した。
テールリスク・ヘッジファンドであるユニバーサは、「いつも大惨事が起きた時のことしか考えていない」と豪語するマーク・スピッツナーゲル氏が社長兼最高投資責任者(CIO)だ。2008年の金融危機を予測したベストセラー「ブラック・スワン」の著者であるナシーム・タレブ氏が助言していることでも知られている。
世界的にマーケットが暴落する中、ユニバーサの運用成績は3月に3612%のプラス、年初来で4144%のプラスだった。投資家向けの手紙の中で、「『戦略的』にユニバーサに資本を割り当てたあなたを賞賛しよう」と成功の喜びを分かち合った。
様々な投資戦略が成功の背景にあるようだが、ユニバーサの特徴は、「小さな損失」、「大きな利益」または「小さな利益」を気にすることではなく、何よりもまず「大きな損失」を避けることだ。
「大きな損失は文字通りあなたの幾何学的なリターンを破壊し、同様に、あなたの富を破壊する。これを私は『ボラティリティ税』と呼ぶ。リスク回避を効果的に行うためには、まず第一に、大きくてレアな損失(テール)に集中しなければならない」
「まだ終わりではない」
ユニバーサは、新型コロナパンデミックによる経済危機は終わっていないとみている。
とりわけ史上最大の金融刺激策を受けて「グローバルな金融バブルの母」に世界が嵌ったままであるとし、「現在のパンデミックによってバブルがはじけようとしている」と述べた。
「間違えてはいけない。中央銀行によって作られた前例のないバブルによって生まれたシステムの脆弱性、それに付随するバカでナイーブなリスクを取る行動とレバレッジこそが、金融市場と経済にとって潜在的にパンデミックを破壊的な存在にさせている」
さらなるマーケットの崩壊を予測する声は少なくない。
2月の時点で3月のマーケット崩壊を予測していた米ヘッジファンド「サトリファンド」のマネジャーのダン・ナイルズ氏は、月末の時点からさらに30%下落もあると予想した。
ビットコインSV、明日午前に半減期
一方、伝統的なマーケットへの不透明感が高まる中で真価が問われているビットコイン(BTC)は、4月9日はほぼ横ばいだった。初めての半減期まで15時間ほどとなったビットコインSVは、若干のマイナスで推移している。
(出典:Coin360 日本時間4月9日18時50分時点)