人気のあるステーキングプラットフォームであるテゾス(Tezos、XTZ)は、ハービンガー(Harbinger)の価格オラクルとの統合により、分散型金融(DeFi)への道に一歩近づいた。

ハービンガーは、複数の取引所からのリアルタイムでの市場データに基づいて、署名された価格フィードを配信するプロジェクトだ。チェーン内のデータは、テゾスネットワークに直接供給され、将来のアプリケーションのために「DeFi対応」を可能にする。

トークン保有者がXTZをバリデーター(テゾスでは「ベイカー」と呼ばれる)に委任できるようにするテゾスの委任ステーキングと同様の方法を使い、ハービンガーは価格オラクルを委任し、資金を得ることができる。

公式発表では次のように説明している。

「これにより、自己継続的な価格オラクルの開発が可能となる。ステークコンセンサスの証明に参加することで得られる報酬が、オラクルデータを最新の状態に保つために必要な料金を相殺することになる」

プロトコルが担保付ローンを作成し、正確なトークンスワップ価格を提供できるようにするためには、価格フィードはDeFiの重要なコンポーネントだ。さらに暗号化され署名された価格フィードにより、プロセスに信頼の層が追加される。

ハービンガーは、チェーンに価格データを投稿するために必要な料金が、テゾス保有者が獲得したステーキングによって支払われるため、チェインリンク(Chainlink)などの他のオラクルプロバイダーとは少し異なるものだ。

ハービンガーは、コンパウンド(Compound)のオープンプライスフィードにいくつかの微調整を加えたものに基づいている。コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)、ジェミナイ(Gemini)、OKExなどの主要取引所である「署名者」と、署名者から価格を取得して「ストレージコントラクト」に投稿する「投稿者」で動作する。「ノーマライズコントラクト」は、DAppまたはDeFiプロトコルに渡されるボリュームの加重平均価格を計算する。これらのコントラクトの初期バージョンは、テゾスコミュニティによってCarthageNetとメインネットで既に展開している。

ハービンガーは、テゾス財団のステーク検証ツールを設計・運用する企業ブロックスケール(Blockscale)によって開発された。

これはテゾスのDeFiスタイルへの移行する最初の事例ではない。今年のはじめ、金融資産の安全なガバナンスのためのテゾスベースのプラットフォームである「ステーカーDAO(StakerDAO)」がローンチされた。

当時、テゾスキャピタルのジョナス・ラミスCEOは、メーカーダオ(MakerDAO)のガバナンスの進化からインスピレーションを得て、テゾスに類似したものを導入したいと述べていた。

ステーカーDAOには、独自のSTKRセキュリティトークンがあり、コンパウンドやメーカーなどの主要なDeFiプラットフォームと同様に、コミュニティガバナンスの提案や投票権に利用される。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン