電気自動車メーカーのテスラは、人工知能(AI)の取り組みに伴い、コンピューティング能力を倍増するための資金を増やす一方で、ビットコイン(BTC)の保有高には5四半期連続で変更がなかった。
テスラの2023年第3四半期の決算は、9月30日時点でデジタル資産1億8400万ドル(約275億円)を保有していたことを示している。これは、2021年3月に初めて購入したビットコイン15億ドルの一部だ。
最新の四半期決算によれば、テスラは2022年第2四半期に保有高の約75%を売却して以来、ビットコインの売買は行っていないということを意味する。

一方で、テスラはAIプロジェクトのためのコンピューティングパワーを「2倍以上に増やした」と報告している。これは、増加するトレーニングデータセットと、人間型ロボット「オプティマス」のトレーニングをコード化されたソフトウェアからAIに切り替えるためだ。「AI開発を加速するために、世界最大級のスーパーコンピュータの1つを導入し、コンピューティング能力を第2四半期と比較して2倍以上に増やした」とテスラは語っている。
テスラの第3四半期の収益と利益は、ウォール街の予想を下回った。報告された総収入は233億5000万ドルで、前年同期比で約9%増加したものの、ザックス・インベストメント・リサーチの予想額243億8000ドル万ドルを下回った。また、予想利益も下回り、報告された1株当たりの利益(EPS)は0.66ドルで、ザックスの0.72ドルのEPS予想を下回った。
第3四半期の営業費用は24億1000万ドルで、前四半期比で13%以上、前年同期比で42.5%以上の増加となった。
テスラの研究開発費は、四半期で11億6000万ドルと、昨年比で58%増加した。これは、「サイバートラック、AI、その他の研究開発プロジェクト」に起因する増加だとテスラは説明している。
テスラの株価は当日約4.8%下落し、242.68ドルで引け、引け後の取引でさらに4.25%下落し、232.37ドルとなった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン