以前からイーサリアムの開発者たちなどによって予言されていた世界初の分散型”世界コンピューター”のプロトタイプの製造に成功したという、イスラエルに拠点を置くスタートアップによる分散型ウェブプラットフォームのアイディアが、プロジェクトに興味を示したとあるシリコンバレーの企業によって少し前進したようだ。

企業がネットワークやマーケットを席巻するアプローチや内部戦術を学ぶための教育を行うメンター主導のスタートアップ・アクセラレータNFX Guildが、Synereoと提携を結ぶ。

後者のプラットフォームは、ネットワーク効果が期待される自社のブロックチェーン 2.0のプロトタイプであるRChain上に構築可能な、”分散型アプリケーション”と呼ばれる新進気鋭のテクノロジー分野の開発、構築を可能にする。システムの価値が、金銭的価値という意味において、市場価値を一定に保つユーザーの数に依存する限り、こういったネットワークによる影響は常に存在するだろう。

 

価値の創造

 

今回のパートナーシップにおける資金調達目標は達成されたようで、分散型インターネット構築のために470万ドル以上が集められた。初期のdAppエコシステムが充足すれば、Synereoが提供する分散型アプリケーションのアイディアの具現とその開発のために開発者たちが多く集まることだろう。

毎年開催される3ヶ月のプログラム、NFXプログラムは、効率的なネットワーク効果の研究と、すべての新規ユーザーが製品をより効率よく動作させ、すべての利用者と仮想テクノロジーが満足するようなシナリオを想定して開催されているプログラムで、その規模は拡大中である。

ブロックチェーン・エコシステムにおけるどの新規DAppにも、分散型経済においては機能性の向上とさらなるユーザーの獲得は重要な意味を持っているため、運よく招待の切符を手にしたすべての参加者と新たなアプリケーション開発者たちにとって大きな意味を持ってくるだろう。

 

速度とスケーラビリティの向上

 

“調べてみると、Synereoが分散型アプリケーション開発に特化したプラットフォームであることがわかると思います。大量にコピーされた状態ではなく、完全に分散された状態で動作するのです”と、イスラエルのスタートアップとの提携を決定したNFX Guildの業務執行社員であるJames Currier氏は語る。 ”上から下まで完全にJavaの仮想マシンです。Pythonではありません。他の様々なハード・フォーク問題で苦労しているプラットフォームと比較すると、上位互換性に優れています。Synereoには分散型のアドバンテージや、ネットワーク効果を生む識別層が組み込まれているのです。そして何より、他のプラットフォームの直線性に比べると、きめ細やかな同時実行制御により、速度とスケーラビリティの向上がもたらされます”

同プラットフォーム曰く、世界初の同時実行制御により組成されたブロックチェーンによって、RChainが何年もの間暗号業界で取り組まれてきたよく知られている古典的なブロックチェーンの問題を解決することができ、ブロックチェーン・ベースのシステムをより高速且つ、無限にスケール可能な状態に保ち、メンテナンスコストも削減できる可能性があるという。