大手オークションハウスのサザビーズで10日、デジタルアート作品シリーズであるクリプトパンクス(CryptoPunks)#7523(別名「COVID Alien」)が1180万ドルで落札された。サザビーズによると、クリプトパンクス作品1点の最高落札額となったという。

クリプトパンクスは、2021年のノンファンジブル・トークン(NFT)ブームよりも前に登場したもので、人や猿、ゾンビ、エイリアンなどをピクセルで描いた小さな作品だ。サザビーズは、5月下旬に「COVID Alien」のオークションを行うことを発表していた。COVID Alienは、マスクをつけたエイリアンが描かれている。

オンチェーンデータによると、2017年にパブリックセールで誰かが「CryptoPunk」を8イーサ(ETH)で購入したことがわかっている。しかし、先月、ニューヨークのオークションハウスであるクリスティーズは、9つのクリプトパンクスを約1700万ドルで落札しており、作品に対する強い需要が価格を押し上げていることが示された。

サザビーズは、クリプトパンクスについて次のように説明している。

「クリプトパンクスは、現代におけるプライバシーの考え方を重視する仮想通貨のパイオニアたちのために、仮の肖像画やマスクとしてデザインされたものだ。アバターやポートレート、マスク、これらは現在、特にツイッターで広まっているインターネット上で匿名化された独自のアイデンティティとなっている」

売却前にCOVID Alienを所有していたNFTのコレクター「Sillytuna」は売却直後にツイッターで「NFTは死んだ」と宣言し、その資金の一部を別のアート作品の購入に充てた可能性を示唆した。