米国政府が押収したシルクロード関連のビットコイン(約1億1800万ドル分)の売却計画が浮上している。しかし市場関係者は、この売却は市場の懸念材料とはならないと指摘している。

米政府がシルクロード関連のビットコイン(BTC)を2934BTC処分するという公告が、1月24日にソーシャルメディアで話題となった。この売却は、シルクロードで薬物を販売していたライアン・ファラーチ氏と彼の72歳の父ジョセフ・ファラーチ氏の1月8日の有罪判決を受けての動きだ。

コミュニティの一部からは、このオークションがビットコインの数百万ドル規模の「投げ売り」につながる可能性があるとの懸念が示された。だが、ビットコイン取引所スワンビットコインのマネージングディレクター、スティーブン・ルブカ氏は、グレイスケール・ビットコン・トラスト(GBTC)からの先週の流出に比べれば「些細なものだ」と主張した。

「些細なものだ。我々は朝食にこれの4倍のGBTC売却を消化している」とルブカ氏は語った。GBTCは1月11日に現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)への転換以来、10万6575BTC(42億ドル相当)を売却しており、最新の流出は1月24日の1万871BTCだった。

米国政府の売却計画は、犯罪事件で押収した推定総額19万4188BTC(77億ドル)のわずか1.5%に過ぎない。これはビットコインの流通供給量の1%未満である。

米国政府によるビットコインの押収および売却は以下の通りだ。

  • ・2016年のビットフィネックスハッキングに絡み2022年1月に押収した9万4643BTC
  • ・2020年11月にシルクロードから押収した6万9369BTC
  • ・シルクロードハッカー、ジェームス・ジョン氏から押収した5万1326BTC

2023年には4回の売却で約4万1000BTCの売却が計画されていた

政府は時々ビットコインをオークションで売却することで知られており、最も有名なのはベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏が2014年に約3万BTCをオークションで落札したケースだ。最近では、政府はオークションではなく、取引所で押収した仮想通貨を売却する動きに移っており、最後に知られている売却は2023年3月の9118BTCだ。