仮想通貨取引所シェイプシフトは8日、第3者にカストディ(資産管理)を任せない新たな仮想通貨プラットフォームのベータ版を立ち上げた。コインテレグラフ日本版に共有されたプレスリリースから明らかになった。自分の資金は自分で守るという経済主権の確保につながるか注目される。

新たなプラットフォームで利用者は、ビットコインやイーサリアムなど50を超えるデジタル通貨の保管、売買、トレーディング、追跡ができる。1%未満の手数料で法定通貨による仮想通貨購入が可能で、トレザーやキープキー、レジャー(まもなく)などのハードウォレットがサポートする。

カストディ充実を目指すコインベースなど大手取引所などの流れとは対照的に、シェイプシフトはノン・カストディ(カストディなし)にこだわっている。利用者は、秘密鍵を完全に自分がコントロールする一方で、中央集権的な取引所で得られるような便利さを享受できるという。

今回のベータ版の対象は、世界のユーザー。日本からのフィードバックも期待しているそうだ。

シェイプシフトのエリック・ボールヒーズCEOは、コインテレグラフ日本版の取材に対して、ノン・カストディとは「資金管理をする上で他の誰かを信用する必要がなくなること」と解説。次のように述べた。

「たいていはユーザーエクスペリエンス(UX)や機能性のために秘密鍵のコントロールを諦めるものだが、シェイプシフトでは秘密鍵の保有を簡単に便利にした上で他の標準的なウェブブラウザーでのデジタル通貨のやりとりを可能にしている」

ボールヒーズCEOは、ノン・カストディによって利用者は自分の金融資産の未来を自分が決定できるとし、 経済主権(financial sovereignty)を獲得するためのツールになると主張。次のように続けた。

「伝統的な銀行システムでは、人々は銀行のきまぐれに付き合わなければならない。銀行は口座を閉じることができるし、取引をブロックできるし、人々の資金を詐欺的な方法で使うことができる。一方、シェイプシフトのプラットフォームは、オープンで透明性がありブロックチェーンを基盤にした未来の金融システムを提供する。」