取引所における仮想通貨ビットコイン(BTC)の準備金が減少傾向にある。3月のコロナショックによるビットコイン急落以降で取引所の準備金は295万BTCから270万BTCまで減った。再び強気相場への機運が高まる中で売り手の減少が指摘される。

7カ月で285億ドル(約3兆円)のビットコインが取引所から流出したことになる。背景には何があるのだろうか。

Bitcoin reserves on exchanges

(出典:Glassnode「取引所におけるビットコインの準備金」)

ビットコイン長期保有の傾向

まずは、ビットコインの売り手の不足があげられるだろう。個人投資家が現在の価格でビットコインを売ることを控えている。

Oddgemsとして知られる仮想通貨トレーダーは、投資家の長期保有傾向が顕著になってきている指摘する。ビットコインの送金先として取引所ではなくカストディ機能のないウォレットを使うケースが増えている。一般的に取引所にビットコインを送金することは法定通貨への換金を意味している。

個人投資家によるビットコイン売りの手控える一方で、マイクロストラテジーやSquare社など大手企業や機関投資家によるビットコイン投資参戦は長期的にはポジティブ材料だろう。

ビットコイン”蓄積アドレス”が増加

グラスノードによると、ビットコイン供給量の大きな割合が現在「蓄積アドレス」に保管されている。このアドレスは、少なくとも2回の受金記録がありビットコインを一度も動かしたことがないユーザーを示している。ここにもビットコイン長期保有の傾向が表れている。

現在、ビットコイン供給量全体の14%なたる260万BTCが蓄積アドレスに保管されており、過去数ヶ月増加傾向にあるという。

米政府機関によるビットメックス訴追やOKExの出金停止など悪材料が相次いだにもかかわらずビットコインが1万1400ドル付近を維持している背景には、蓄積アドレスの増加があるかもしれない。

翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン