米証券取引委員会(SEC)は2月6日、より多くの市場参加者に対し、同委員会への登録、自主規制団体への加入、連邦証券法と規制への準拠を求める規則を採用した。この新規則は、仮想通貨と分散型金融(DeFi)をより厳格な監督下に置く可能性がある。

全247ページにわたる新規則は2022年に提案され、証券法規則における「ディーラー」と「政府証券ディーラー」の定義を再定義し、1934年証券取引法で使用される「定常的な業務の一部として」のフレーズも再定義された。

新規則は「市場で重要な流動性供給の役割を担う市場参加者」に適用される。具体的には、新しい定義によるディーラーは「同じ証券について市場の最良価格またはそれに近い取引意欲を示す」か、または「ビッド・アスク・スプレッドを主な収益源とする」あるいは「流動性供給取引意欲による取引所からのインセンティブを得ることにより収益を上げる」といった行為が含まれる。

SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は声明で「これらの措置は常識的だ。[…] 例外や免除がない限り、事実上のマーケットメイクを行うような取引をする者は、議会の意図に沿って、ディーラーとして登録しなければならない」と述べている

新規則の適用には下限が設けられており、ディーラーは5000万ドル(約73億円)を保有または管理していなければならない。

194ページに及ぶ2022年の提案された規則では、1つの脚注を除いて仮想通貨には言及されていなかった。それにもかかわらず、仮想通貨業界や仮想通貨を支持する政治家からの反対があった。規則の最終版では仮想通貨に関するセクションが割り当てられており、「ディーラーの枠組みは、取引される証券の種類ではなく、個人が行う証券取引活動に基づいた機能的分析である」と述べられている。

この規則は共和党系のSECメンバー2人が反対票を投じた。SECメンバー5人中4人が規則変更に関する声明を発表した。共和党系のマーク・ウエダ委員は規則変更が行き過ぎだとし、「今日の行動は、『ディーラー』の定義が事実上無制限であるという委員会の見解を法制化するものだ。公衆は、この主張された管轄権の膨大な範囲について懸念すべきだ」とのべた。もう一人の共和党系委員のヘスター・ピアースは声明を発表していない。

変更を支持したキャロライン・クレンショー委員は「ここには明らかな抜け穴がある。市場の大きなシェアを持つ市場参加者が、ディーラーとして登録されていないにもかかわらず、ディーラーによって行われるような活動に従事している」と指摘した。

新しい規則は連邦官報に掲載されてから60日後に発効する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン