米証券取引委員会(SEC)の5人の委員の1人であるヘスター・ピアース氏は、仮想通貨の熱心な支持者としても知られる。彼女は、デジタル資産に関する明確な法的枠組みを求めるよう、議員と規制当局に呼びかけた。
9月11日に米テキサス州オースティンで開催された「パーミッションレスIIカンファレンス」で、ピアース氏は2018年にSECに参加したとき、SECが仮想通貨の規制枠組みについて「これほど遅れている」ことを予想していなかったとコインテレグラフに語った。スイスやシンガポールといった国々が世界的に見て仮想通貨規制で先行しているように見え、米国の状況とは大きく異なるとも指摘した。
「よくなっていると感じる変化はあまり見られない」とピアース氏は述べた。「しかし、(SECの)FinHubや他の部門で仮想通貨についてかなり詳しい人々がいる。これは、私がSECにいる間に変わった点だ」。
ゲイリー・ゲンスラー委員長の下でのSECは、業界リーダーや規制当局、議員から多くの批判を受けている。特に言われているのが、デジタル資産に対して「執行による規制」のアプローチを取っている点だ。SECはコインベース、バイナンス、リップルといった仮想通貨企業を相手取って訴訟を起こしており、米国では現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認はなされていない。8月には、グレースケール・インベストメンツがSECによる現物型ETF申請の拒否に関する訴訟で勝訴しており、再レビューが行われる可能性がある。
ピアース氏はSECが関与している特定の裁判についてはコメントできないが、仮想通貨業界に関係する企業に対して、今後どう進むべきかについて委員会とコミュニケーションを取るよう促した。彼女は、SECが仮想通貨関連の方針について「心変わり」する可能性があると示唆した。
「米国をあきらめないでほしい。この混乱も過ぎ去るだろう。米国はモノを作るのに適した場所であり、それがこれからも続くようにしたい。ただし、非常に具体的なアイデアで提案してほしい。明確性が必要な点について具体的な方法を考えてほしい」と彼女は述べた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン