米証券取引委員会 (SEC) は、スマホ証券のロビンフッド・マーケッツにウェルズ・ノーティスを発行した。

ウェルズ・ノーティスのニュースを受けて、ロビンフッドの株価は時間前取引で2.5%下落した。記事執筆時点で 17.78ドルを推移している。裁判所の提出書類によると、ウェルズ・ノーティスは 5 月 4 日に発行された。

ウェルズ・ノーティスは、調査の結果、個人または企業に対して、証券法違反で訴訟を起こす可能性があることを通知する書簡。今回の場合はロビンフッドが米国で仮想通貨ビジネスを展開していたことの違法性を追求する内容だ。

提出書類によると、SEC は ロビンフッドの仮想通貨の上場と仮想通貨カストディアン業務を調査しており、証券法違反の疑いがあるとして、SECが強制措置の提起を勧告する「予備的決定」を行ったとしている。

ロビンフッド・マーケッツの最高法務責任者兼コンプライアンス責任者であるダン・ギャラガー氏によると、今回の調査のニュースは、ロビンフッドが米国証券取引委員会に登録しようとしていたにもかかわらず、伝えられてきたものだという。

ギャラガー氏は5月6日のブログ記事で以下のように書いている。

「長年にわたり、規制の透明化のためにSECと誠意を持って取り組んできたが、今回の米国仮想通貨ビジネスに対するウェルズ・ノーティスの発行は遺憾だ。」

ギャラガー氏はさらに、ロビンフッドは上場している資産のどれも証券とは考えていないと付け加えた。

「当社は、プラットフォーム上で上場している資産は証券ではないと確信しており、事実と法律の両面で、ロビンフッド・クリプトに対するいかなる訴訟も根拠が薄いことをSECに明らかにできるだろう」

仮想通貨の規制状況は1932年の株式市場規制に類似

ロビンフッドは証券法違反を回避しようと試みてきた。その取り組みの一環として、SEC が他のプラットフォームに対する訴訟で証券の提供であると主張したことがある特定のトークンの上場や、レンディングとステーキングサービスを提供してこなかった。

一方でギャラガー氏は、連邦政府による規制の透明性が欠けているため、市場参加者間の競争条件が不公平になり、規制遵守が難しく、仮想通貨の主流化が妨げられていると指摘している。

2011年から2015年までSEC委員を務めていたギャラガー氏は、2023年6月6日の裁判所の証言で次のように述べている。

「残念ながら、ロビンフッドや米国におけるその他のデジタル資産市場参加者は、必ずしも整合性が取れていない一連の州規制枠組みと、連邦レベルでの規制の透明性の欠如に直面している。多くの点で、デジタル資産の規制状況は、1932年の株式市場の状況に似ている。」

SECと商品先物取引委員会 (CFTC) はまだ、デジタル資産に関して、証券と商品と見なされるものについて明確な指針を示していない。