米国最大の仮想通貨取引所コインベースが個人投資家向けのトレード手数料をあげることに批判の声が出ている。

コインベースは、10月7日から投資家向けのプラットフォーム「コインベースプロ」の手数料をあげる。最も手数料の割合が高いのは、0ドルから1万ドル(約107万円)のカテゴリーに属するいわゆる個人投資家層。メーカーとテイカーの双方が0.5%の手数料を払うことになり、以前の手数料と比べて大幅アップとなっている。

仮想通貨アナリストのジョー・マカーン氏は、2017年の強気相場の時にコインベースの手数料収入が10億ドルを突破したが、2018年の弱気相場では60%ほど減少したと指摘。取引所のビジネスモデルが強気相場と弱気相場かに左右されやすい現状を解説した。

ビットコインを始め仮想通貨相場は7月中旬以降で低調な状態が続いている。マカーン氏は、取引量の減少を受けて、コインベースが再び手数料アップに踏み切ったのだろうと予想。次のように苦言を呈した。

「”手数料収入で儲ける仲介業者”というビジネスモデルは、仮想通貨業界の多くの人々が軽蔑しているが、1周回って取引所はまさにそれをやってしまっている」

ただ、マカーン氏は、株式ブローカーの間で見られるように、長期的には手数料ゼロにむけた競争が始まると見ており、トレード手数料以外での収入源の確保が必要になるとみている。