ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの調査によると、2021年の非代替性トークン(NFT)取引の80%以上が1万ドル(約113万円)以下の「リテール」レベルのものだっという。

チェイナリシスが今週公開したレポートでは、2021年全体のNFT取引のトレンドをまとめている。このレポートでは2021年1月から10月のデータをもとに調査している。

1万ドル以下のリテールサイズの取引は2021年のNFT取引において常に80%以上を占めていた。一方で、1万ドル~10万ドルレベルのコレクターサイズについては、3月時点では6%から10月31日には19%にまで上昇しており、コレクションとしてNFTを購入する傾向が強まっている。

10万ドル以上の機関投資家レベルの取引は全体の1%未満だったが、金額ベースでみると26%を占めていたという。

下のグラフは、1月から10月までの期間を通じてリテール取引が優勢であり、9月以降はコレクターレベルの取引も一定の規模があることを示している。

NFT transaction size share. Source: Chainalysis

金額ベースでみると、コレクターレベルや機関投資家レベルが大部分を占めていることがわかる。コレクターレベルの取引高は全体の63%を占め、機関投資家レベルは26%を占めてる。

NFT transfer volume share. Source: Chainalysis

チェイナリシスは、NFT市場と仮想通貨市場とを対比し、リテール市場の存在感の違いを指摘している。

「データは、NFT市場が従来の仮想通貨市場よりもリテール主導型であることを示している。従来の仮想通貨市場では、リテール取引が全取引量の中でごくわずかなシェアを占めている」