オンチェーン指標を引用したDappRadarの第3四半期業界レポートは、仮想通貨市場が現在の弱気市場から回復の兆しを見せていることを示唆している。
2022年第3四半期にはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行させるイーサリアムのマージが成功した。これにより、イベント前のレイヤー2のアクティビティにも顕著な影響を及ぼした。また、このレポートでは、仮想通貨市場全体の時価総額がわずかに回復していることも強調されているが、まだ1兆ドルの大台を下回っている状態だ。
第3四半期は、2022年7月から9月末までの仮想通貨時価総額が8.5%増加した。分散型金融(DeFi)分野のロックされた総価値(TVL)は第3四半期に2.9%増加して690億ドルとなっている。イーサリアムが引き続きTVLの大部分を占め、480億ドルがスマートコントラクトにロックされている。
DappRadarはまた、仮想通貨エコシステム全体のユニークアクティブウォレットが前四半期比12%増加し、180万に達したことを強調している。ブロックチェーンゲーム部門は、8月から9月にかけてユニークウォレットアドレスが8%増加し、大きく貢献した。
ImmutableXは同期間にユニークアクティブウォレットが30%増加し、非代替性トークン(NFT)の取引量が前四半期比87%増を記録し、Polygonも同様の経過をたどり、ユニークアクティブウォレットが17%増加した。
一方、第3四半期のNFT取引量は27億1000万ドルで、2022年第2四半期から67%もの大幅な減少を記録している。
仮想通貨資産の盗難についても、ブロックチェーンブリッジが依然として狙われていることが改めて浮き彫りになった。DappRadarによれば、第3四半期に盗まれた暗号資産は4億6100万ドル相当にものぼる。8月のNomadでの流出(1億9000万ドル)やアルゴリズムマーケットメーカーのWintermuteでの流出(1億6000万ドル)が影響した。
DappRadar のレポートは、世界経済に対するより広いマクロ経済的要因の影響も強調している。中央銀行が金利を上げることで不況の影響を食い止めるためにインフレを管理しようとしているためだ。
「現在のマクロ経済状況は仮想通貨市場に大きく影響し、伝統的な金融市場の全般的な回復なしに仮想通貨の世界的な拡大を期待することは不可能だ」