仮想通貨に理解があるパトリック・マクヘンリー下院議員が、下院議長だったケビン・マッカーシー氏の注目を集めた解任後、臨時下院議長に任命された。
マッカーシー氏の解任は216対210の投票で決まった。このうち8票はマッカーシー氏の仲間であるはずの共和党議員によるものだった。ロイターによれば、米国史上初めて下院議長が解任された事例だ。この投票は、マッカーシー氏の政治的ライバルである保守強硬派のマット・ゲーツ氏からの動議により引き起こされた。ゲーツ氏はマッカーシー氏が行ったいくつかの矛盾した約束を問題視した。
一時的なものであるが、マクヘンリー氏の臨時下院議長就任はデジタル資産業界にとって小さな勝利と見なすことができる。議長は下院の立法議題を設定し、委員会の任命を管理し、法案投票のためのスケジュールを決めることができる。下院議長は、大統領と副大統領に次ぐ米国政府で最も影響力のある地位とされている。
マクヘンリー氏は、証券取引委員会(SEC)の仮想通貨セクターに対する法執行規制に対する最大の挑戦者と見なされている。マクヘンリー氏は先週、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長の議会証言で同委員長を厳しく問い詰め、「デジタル資産エコシステムを窒息させようとしている」と批判した。
また、マクヘンリー氏は、ゲンスラー委員長がFTX、その元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏との関係について、議会に対して透明性を欠いていると非難した。
マクヘンリー氏は、6月1日に「デジタル資産市場構造法案」の草案を公開している。これは仮想通貨空間での明確性を提供し、規制のギャップを埋め、革新を促進すると主張している。この法案は、一部の業界関係者から称賛を受けた。
しかし、マクヘンリー氏の下院議長としての任期は短命に終わるかもしれない。
ブルームバーグによれば、新たな下院議長に関する公式の投票が10月11日に予定されている。ロイターの報道では、仮想通貨に肯定的な下院議員トム・エマー氏などの名前が新下院議長として浮上しているが、いずれも公にその地位を望む意思を表明していない。一方、マッカーシー氏は既に再度下院議長に立候補しないことを確認している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン