急騰するビットコイン(BTC)ネットワークのハッシュレートは、マイニング会社の財政状況を圧迫しているが、エネルギー大手には有利になるかもしれない。

ビットコインのハッシュレートは、またしても記録的なピークに達した。Blockchain.comによると、この指標は年初から60%近く上昇した後、11月1日に267エクサハッシュ/秒(EH/s)という過去最高を記録した。

カプリオール・ファンドの創設者であるチャールズ・エドワーズ氏は、この新たなピークについて、政府や石油会社がマイニングに参入しているためだと推測する。

これは強気な兆候であり、マイナー降伏を示すものではないという。しかし、短期的には、マイナーが経費をまかなうためにビットコインを売って事業を継続するため、弱気と見なされる可能性がある。このシナリオでは、まだ見ぬハッシュレートの停滞や下落を招き、マイニングリグが他の主体によって動かされているという仮定をの説得力が増しそうだ。

「ビッグオイル(大手石油企業)は間違いなくメジャープレイヤーになる」とエドワーズ氏は指摘する。

今年初め、エクソンモービルがデンバーに拠点を置くクルーソー・エナジー・システムズと共同で、ノースダコタ州でビットコインをマイニングしていることが報じられた。6月には、ロシアの天然ガス大手ガスプロムの石油子会社が、マイニング企業ビットリバーにエネルギーを提供するとの報道が出た。

ビットコインのマイニングに、石油産業で無駄になる副産物であるガスフレアエネルギーを利用する動きが活発になってきた。

今月初め、アルゼンチンの国営エネルギー会社YPFは、残留するガスフレアエネルギーを仮想通貨マイニング用の電力に変換すると表明した。

これらは、大手石油企業がビットコインマイニングに与える影響力のほんの一例であり、今後も増加する可能性が高い。2020年にコインテレグラフは、2025年までに石油会社がBTCマイニングを支配する可能性があると報じた。

各ブロックの競争が激化し、エネルギー価格が高騰し、ハッシュ価格や収益性が低迷する中、ビットコインのマイニングを唯一の事業・収益源とする企業は現在苦境に立たされている。

ちょうど今週、マイニング大手のアルゴ・ブロックチェーンが事業戦略の再構築と、マイニングハードウェアの売却の詳細を発表した。先週は、マイニング大手のコア・サイエンティフィックが、米国証券取引委員会(SEC)に破産手続きの可能性を警告する書類を提出した。