オンチェーン分析企業であるCryptoQuantからの新しいデータは、過去1週間に1億1300万ドル相当のバイナンスUSD(BUSD)がバイナンスの取引所に流入していたことを示している。つまり、ステーブルコインのBUSDは、テザー(USDT)を除くほかのすべての米ドルベースのステーブルコインよりも潜在的な購買力が高いことを示している。
出典: CryptoQuant バイナンスへのBUSD流入
バイナンスの米ドル建てのステーブルコインはERC-20べースで、パクソスとの提携により2019年に登場した。それ以来、BUSDはその量が増加し、最近9月4日にUSDコイン(USDC)を上回り、着実に勢いを増している。
出典: Skew 米ドル建ての主要なステーブルコインの24時間取引高
バイナンスはDeFiでもパイ獲得目指す
BUSDは時価総額3億6300万ドルで、市場で3番目に大きいステーブルコインだ。ただし、バイナンスが提供を拡大し続けているため、BUSDが、主にテザーによって支配されているステーブルコインの分野と分散型金融(DeFi)の分野でより大きなプレイヤーになる可能性がある。
バイナンスはすでにDeFiでより大きな役割を果たすことに強い関心を示しており、バイナンスはDeFiへの活用を想定した新しいブロックチェーン「スマートチェーン」をデビューさせた。
バイナンスのスマートチェーンを使用すると、DeFiプロトコルをその上で実行でき、イーサリアムブロックチェーンよりも低い料金で行える。またプラットオームを通じてBNBステーキングも利用できる。
9月11日、人気のあるDeFiプロトコルであるCREAMは、バイナンスのスマートチェーンに移行することを発表した。ほとんどのDeFiプラットフォームとは異なり、このプロトコルはBNB、BUSD、ETH、XRP、BCH、LTCのイールドファーミングをサポートする。
最近、バイナンスはLaunchpoolプラットフォームを発表した。これは、ユーザーがBUSDのような資産をファーミングすることを可能にする新しい場所だ。プラットフォームの最初のプロジェクトはベラプロトコル(BEL)であり、ユーザーはBNB、BUSD、およびARPAトークンをステーキングすることができる。
2020年にステーブルコインは3桁の成長を記録
2020年は、主に分散型金融とイールド関連プロトコルの急増により、ステーブルコインにとって成長の年となっている。
コインメトリックスによれば、ほとんどの米ドルベースのステーブルコインの時価総額は、過去2ヶ月間、1日1億ドルずつ着実に増加している。
この成長はDeFiエコシステムが大きく依存しているようだ。たとえ成長し続けても、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の登場により、ステーブルコインはいくつかの課題に直面する可能性がある。
また主要な金融機関や企業が独自のデジタル通貨やブロックチェーンネットワークを開発している場合、現在のステーブルコインエコシステムへの競争相手になる可能性がある。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン