ポイント

・10.7万ドル手前で上値重くもみ合い

・米中首脳会談期待とETF流入で一時上昇

・弱い経済指標で利下げ期待、10.5万ドルへ

・企業BTC購入活発、KWMの5億ドル計画注目

昨日のBTC相場

昨日のビットコイン(BTC)市場は上値の重い展開となった。未明に10.7万ドル(約1,540万円)手前で上値を抑えられると、足元では10.5万ドル(約1,510万円)を挟んだもみ合いが続いている。

BTCは、しばらくサポートだった10.6万ドルがレジスタンスとなり上値を抑えていたが、週末に10.3万ドル台で切り返すと、米中首脳会談が今週中に開催されるとの期待感から、一昨日10.6万ドルを突破。昨日未明には10.7万ドル手前まで上値を伸ばした。3営業日連続でマイナスだったETFフローが一昨日プラスに転じたことも、相場を後押しした可能性がある。

しかし、この10.7万ドル水準が5月27日の戻り高値からの半値戻しに相当したため、跳ね返されるとじりじりと値を下げた。トランプ大統領がSNSで「習近平国家主席は好きだが、タフで交渉が難しい」と弱気なコメントを投稿したことも、相場の上値を重くした要因と考えられる。

欧州時間に入ると一時10.6万ドルにタッチしたが失速。ADP民間雇用統計が予想を下回る弱い結果となると、米株先物と歩調を合わせ、景気悪化懸念で一時売られた。その後、利下げ期待で買い戻され、米株市場がオープンすると10.4万ドル台前半に下落。しかし、ISM非製造業PMIが予想に反して50を下回ったことで利下げ期待が再燃し、10.5万ドル台半ばまで値を戻した。

その後は、JPモルガンが暗号資産を担保として受け入れるとブルームバーグが報じ、好感された一方、ウクライナ空爆を受けた米ロ首脳会談でロシアが反撃の意向を示したとトランプ大統領が投稿。こうした中、BTCは10.5万ドルを挟んだもみ合い推移を続けた。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。