ポイント

・10.3万ドル台から切り返す

・関税差し止め停止と米中交渉難航で下落

・2日でETF流出10億ドルも需給は底堅い

・今晩パウエル講演とロシア・ウクライナ交渉に注目

昨日のBTC市場

週末のBTC市場は続落。

金曜日未明に10.6万ドル(約1525万円)のサポートを割り込むと、一時10.3万ドル(約1480万円)台に値を下げたが、今朝方10.6万ドル手前まで値を戻すなど、下に行って来いの展開となった。

BTCは5月22日に史上最高値を更新すると、翌23日に11.2万ドル近辺でピークアウト。それまでのレンジサポート10.6万ドルに支えられ、高値圏でのもみ合い推移を続けていた。

先週木曜日の朝方、裁判所が相互関税を差し止めるとBTCは強含んだが、10.9万ドルを前に跳ね返されるとじりじりと値を下げていった。

金曜日の早朝、控訴審が関税差し止め判決を停止し、ベッセント財務長官が対中交渉が難航していると発言すると、サポートの10.6万ドルをクリアに割り込み、10.4万ドル台に値を下げた。

デリビットのオプション期日をほぼ10.5万ドルで通過すると、CME先物5月限の最終取引時間に向けて買い戻しが優勢となったが、サポートだった10.6万ドルに跳ね返されると、トランプ大統領が中国が貿易協定に違反したとSNSに投稿したことが嫌気され失速した。

トランプメディア社(DJT)が事前にアナウンスされた資金調達を完了し、23億ドルのBTC購入余力が生じたことを好感し若干値を戻したが、土曜日に大統領が鉄鋼関税を25%から50%に引き上げると発言すると、BTCは10.3万ドル台に値を下げた。

しかし、日曜日にハセット国家経済会議(NEC)委員長が大統領が今週中にも習近平主席と会談する見通しと発言すると10.6万ドル近くまで反発。中国が米国が貿易協定に違反していると主張すると10.5万ドルを割り込んでいる。

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。