ポイント
・上値の重い展開、一時10.6万ドル台をつける
・入札前の金利上昇によるリスクオフもあり失速
・小粒な好材料続き切り返す
・裁判所がトランプ関税の大部分を差し止め、長い目で見ればポジティブか
昨日のBTC相場
昨日のBTC市場は上値の重い展開である。
未明に11万ドル(約1605万円)台で上値が重くなると、しばらく10.9万ドル(約1595万円)を挟んだもみ合い推移が続いたが、海外時間に10.6万ドル(約1550万円)台に失速し、足元では10.8万ドル(約1580万円)台に値を戻している。
BTCは先週木曜に史上最高値を更新し、金曜には11.2万ドル手前まで上値を伸ばした。
しかし、週末に入ると対EUの50%関税が嫌気され、連休で買い手が不在の中、失速した。それでも、レジスタンスだった10.6万ドルでサポートされると、対EU関税が7月9日まで延期されると伝わり反発した。企業による購入計画が相次ぐ中、昨日未明には11万ドル台に値を戻した。
11万ドルのオプションストライクの影響もあってか、11.1万ドル手前で上値を抑えられると、その後しばらくは10.9万ドルを挟んだもみ合い推移が続いた。
海外時間に入ると、入札を前に長期金利が上昇し、米株も軟調に始まったことでBTCは失速し、一時10.7万ドルを割り込んだ。
しかし、GameStop社の5億ドルの購入や、401Kへの暗号資産組み入れを「非常に慎重」とするガイダンスの撤廃、バンス副大統領が「もうすぐ1億人の米国人が暗号資産を保有する」との発言など、細かな好材料が続いたこともあり、10.6万ドル台で切り返すと、エヌビディアの好決算を受けたリスクオンもありBTCは反発した。
今朝方は、米国際貿易裁判所がトランプ関税の多くを差し止める判決を出したことで、BTCは10.8万ドル台に反発し、ドル高円安も手伝って円建てではシャープに切り返している。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。