ポイント
・8.6万ドル台半ばに値を伸ばすも8.3万ドルに失速
・ボー・ハインズ氏、戦略準備積み増しに自信
・中国は国内航空会社にボーイング機の受取拒否を命じる
・エヌビディアが対中半導体H20輸出が許可制となったことで55億ドルの引当計上
昨日のBTC相場
昨日のBTC市場は上に行って来い相場。
一昨日8.3万ドル(約1,185万円)近辺から切り返すと、8.5万ドル(約1,215万円)を挟んだもみ合いが続いたが、海外時間に8.6万ドル(約1,230万円)台半ばでピークアウト、今朝方8.3万ドル近辺に値を落としている。
BTCは先週、年初来安値を更新したが、中国製品に対する追加関税が90日間停止されたこともあり7.4万ドル台でダブルボトムを形成。
一時ネックラインの8.1万ドルを割り込んだが、スマホやPCが追加関税の対象から除外されたこともあり8.6万ドルにワンタッチするなど底打ち感が広がった。
しかし1月の史上最高値からのトレンドラインや一目均衡表の雲の上限に上値を押さえられると、スマホやPCの半導体関連部品については別途課税される可能性が示唆されたこともあり8.3万ドル近辺に値を下げた。
週明けの米株先物が寄り付きから上昇するとBTCも切り返し、8.5万ドル近辺でのもみ合い推移を続けた。
昨日は未明の自動車関税の猶予検討に関する発言で8.3万ドル台から切り返し、医薬品・半導体に対する関税賦課に向けた調査開始の報道で8.4万ドルに弱含んだが、ホワイトハウスの暗号資産担当官ボー・ハインズ氏が投資家ポンプリアーノ氏とのインタビューで戦略準備でのBTC買い増しには無数の方法があり関税収入による購入も選択肢としたことが好感され、またETFフローがわずかながら8営業日ぶりにプラスに転じたこともあり、8.6万ドル手前まで値を上げた。
中国が報復措置として国内航空会社にボーイング機の受け取り拒否を命じたことも嫌気され上値を重くしたが、米株市場がオープンすると先日の高値を更新し8.6万ドル台半ばに値を伸ばした。
しかし、レジスタンスゾーンに跳ね返されると、レビット報道官が『ボールは中国側にある』というトランプ大統領の発言を伝えるとリスクオフ気味に失速、今朝方エヌビディアが中国向け半導体H20の輸出規制の影響で第1四半期(2-4月)に55億ドルの費用を計上すると発表、時間外取引で同社株が急落する中、BTCは8.3万ドル近辺に値を下げたが、前日の安値付近でサポートされている。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。