ポイント
・ダブルボトムのネックライン8.1万ドルを割り込み上に行って来い
・アジア時間の米債売りは続くが、CPIは低下、30年債入札は良好
・対中関税はフェンタニル分の20%に相互関税125%を足し計145%
・不透明感が相場の重しとなっているが、市場はやや悲観的すぎか
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は急騰後に反落した。
早朝、7.8万ドル(約1,125万円)近辺から急騰し、8.3万ドル(約1,195万円)台まで値を伸ばしたが、朝方には一時7.8万ドル台まで下落するなど、行って来いの展開となった。
BTCは週明けに8.8万ドル台でダブルトップを形成し、ネックラインの8.1万ドルを割り込むと7.4万ドル台まで急落、年初来安値を更新した。
CNBCの「相互関税90日間停止」との誤報を受け、BTCは一時8.1万ドルにタッチしたが、すぐに否定報道が出て反落。一昨日の本格的な相互関税発動時刻に向けて、BTCは再び7.4万ドル台まで下落した。
しかし、月曜日の安値付近でサポートされると、トランプ大統領がSNSで「中国を除く相互関税(上乗せ分)を90日間停止」と投稿。これを受け、BTCは8.3万ドル台半ばまで値を伸ばし、7.4万ドル台でダブルボトムを形成した。
その後、アトキンス新SEC委員長が上院で承認され、一方で中国政府が貿易戦争に対して徹底抗戦の構えを示す中、BTCはダブルボトムのネックラインである8.1万ドル台でサポートされ、一進一退の展開が続いた。
注目のCPI(消費者物価指数)では、ヘッドラインとコアの両方が前月比で予想を0.2%下回る非常に弱い結果となり、6月利下げの織り込みが上昇した。しかし、米株先物が上値を重くする中、BTCへの影響は限定的だった。
その後、CNBCがホワイトハウス高官の話として「中国への関税を125%にフェンタニル分の20%を加えた145%とする」と報じると、米株が失速。BTCも8.1万ドルのサポートを割り込み、一時7.8万ドル台まで下落した。
しかし、前日の10年債入札に続き、30年債入札も好調に終わったことで米株市場が下げ渋ると、BTCも買い戻され、8万ドル台に値を戻した。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。