ポイント
・8.7万ドル台から8.1万ドル台に失速
・オプションカットは8.5万ドルで通過、CME期日に向け8.3万ドル台に続落
・GameStop社の株価は急落、4月1日完了予定の転換社債での調達状況は不明
・4月2日の相互関税、4日の雇用統計を控え、様子見姿勢が強まりそう
週末のBTC相場
週末のBTC相場は下落。
木曜日は概ね8.7万ドル(約1305万円)近辺での取引を続けていたが、金曜日に8.5万ドル(約1275万円)近辺に失速すると、土曜日未明にかけて8.3万ドル(約1245万円)台に失速。更に日曜日未明には8.1万ドル(約1215万円)台まで値を下げるも8.3万ドル台に切り返したが、今朝方再び8.1万ドル台に値を下げている。
BTCは3月11日に7.6万ドル台から反発すると、しばらく上値を抑えていた8.5万ドル台を上抜け、先週月曜日の米株が高寄りすると8.8万ドル台後半に値を伸ばした。しかし、昨年11月からのダブルトップのネックラインである8.9万ドルに上値を抑えられると、週末のオプションカットを控えた8.5万ドルと9万ドルのストライクの中間にあたる8.7万ドル台でのもみ合い推移が続いた。
木曜日の朝方、前日にBTCの財務資産組み入れを発表し株価が1割上昇したGameStop社が転換社債での資金調達を発表した際には好感されたが、木曜日の株式市場で同社株が2割以上下落するとBTC市場も一時8.5万ドル台に値を崩した。
金曜日に入ると17時のデリビットのオプション期日に向けて12時過ぎ頃から8.5万ドルのストライクに引き寄せられるように値を崩した。
海外時間に入ると、コアPCEデフレーターが予想をやや上回り、ミシガン大調査の期待インフレも上ブレする一方、消費者信頼感は悪化。トランプ関税によるスタグフレーション懸念が浮上する中、米株が大きく値を崩すと、BTCは8.3万ドル台に値を落とした。
一旦は21日の安値にサポートされたが、ETFフローが2週間ぶりに流出に転じたこともありこの水準を下抜けると、日曜日未明には8.1万ドル台まで値を下げた。
今度は18日の安値にサポートされると8.3万ドル台に値を戻したが、トランプ大統領が関税で輸入メーカーが値上げをしても気にしないとしたことやウクライナ和平交渉に関してプーチン大統領に立腹しているとしたことなども嫌気され上値を重くすると、週明けの日本株が大幅安となる中、再び8.1万ドル台に値を落としている。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。