ポイント

・今朝方8.6万ドルに戻し、金曜日から見ると下に行って来い

・先週のETFフローは7億ドルの流入、ストラテジー社の優先株追加発行

・大統領が相互関税柔軟化示唆、WSJも縮小と報じる

・SBR追加購入観測浮上、金証書の時価評価による含み益利用が本命

週末のBTC相場

週末のBTC相場は底堅い展開。

木曜日から金曜日未明に8.6万ドル(約1280万円)でピークアウト、金曜日の海外時間に8.3万ドル近くで切り返すと、今朝方8.6万ドル台を回復、均(なら)してみると下に行って来いの展開となった。

BTCは3月11日に年初来安値7.6万ドル台から反発すると、3月6日からの半値戻しと200日移動平均線が重なる8.5万ドル近辺で上値を押さえられていた。

しかし、先週のFOMCでばら撒(ま)いた米ドルの回収を意味するバランスシート縮小(QT)の減速が決定、関税によるインフレも一時的と議長がコメントすると同水準を突破、トランプ大統領が暗号資産イベントに登壇すると伝わると期待先行で8.7万ドル台半ばに値を伸ばした。

これで底打ち感が鮮明となったが、3月前半に開けたCME先物の窓埋めが完了、2月21日からの半値戻し8.8万ドルに上値を押さえられると、目新(あたら)しさに欠ける大統領のコメントへの失望感もあって金曜日未明に8.3万ドル台に失速した。

その後、SECがBTCなどのマイニングは管轄外との声明を出したことなどが好感され、BTCは8.5万ドル近辺に値を戻したが、金曜日の米株オープン前に株先が失速するとBTCも8.3万ドル近辺に値を下げた。

しかし5億ドルの優先株を公募していたストラテジー社が7.2億ドルに調達額を増額、また米株が安寄り後、切り返すと、BTCも下げ渋り、トランプ大統領が4月2日からの相互関税に柔軟性があるとしたことを受け米株が上昇に転じると、BTCも8.4万ドル台に値を戻した。

週末には大統領デジタル資産顧問委員会のエグゼクティブディレクターのボー・ハインズ氏や100万BTC購入法案を提出しているシンシア・ルミス議員などが米国が保有する金を売却してBTCを追加購入すべきとしたことが話題となった。

日曜日にストラテジー社のマイケル・セイラーが追加購入を示唆するとBTCは8.5万ドル台に回復、WSJが4月2日の相互関税は縮小されると報じると、リスクオン気味にBTCは一時8.6万ドル半ばに反発した。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。