ポイント
・引き続き重要なレジスタンス8.4万ドルトライ中
・CPIに続きPPIも弱め、30年債入札不調、SP500調整局面入り
・米国産ウィスキー50%報復関税に対抗、欧州産ワイン200%関税示唆
・米ウ合意の停戦案を露評価するも合意に至らず
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上値の重い展開。一昨日に8.4万ドル(約1245万円)台に乗せるも失速、昨日未明に8万ドル(約1185万円)近辺で切り返すと、昼頃に8.4万ドルにワンタッチしたが上値を押さえられ、海外時間に一時8万ドルを割り込むも、足元では8.2万ドル(約1215万円)近辺に値を戻している。
BTCは週明けにかけて三角持ち合いを下抜けると、火曜日に7.6万ドル台に値を落とし、2月末の年初来安値を更新した。しかし、ウクライナが米停戦案に合意したことなどもあり8.4万ドル近辺まで切り返した。
予想を下回ったCPIで一時8.4万ドルを上抜け、小さなヘッドアンドショルダーが完成しかけたが、10年債入札を控え米長期金利が上昇、貿易戦争への懸念から米株も値を下げる中、昨日未明にかけてBTCは8万ドル近辺に値を下げた。
バイナンスへのアブダビ政府系ファンドの出資やリップル裁判終結が近いとの情報など小粒な好材料もあり下げ渋ると、米10年債入札が好調に終わり市場がリスクオン気味に推移する中、BTCはじりじりと値を戻した。
BTCはアジア時間に再び8.4万ドルに乗せるも上値を押さえられると、ロシアが米ウ停戦案を評価するも合意には至らないとの見方が広がる中、じりじりと値を下げていった。
前日のCPIに続きPPI(生産者物価指数)も予想を下回り再び8.4万ドルをトライしたが失敗すると、トランプ大統領が欧州の米国産ウィスキーへの50%関税に対抗し、欧州産ワインに200%の関税を課すと発表。これを受けてリスクオフ気味に米株が失速、BTCも値を下げていった。
そうした中、トランプ大統領のファミリー企業がバイナンスの米現法の買収を検討しているとWSJが報じたが、前CEOのCZ氏がすぐさま否定した。
米30年債入札は不調に終わり、S&P500がピークから10%安で調整局面入りすると、BTCは一時8万ドルを割り込んだ。しかし、米株が反発し、上院民主党がつなぎ予算に賛成する意向を示し、15日からの政府閉鎖が回避される見通しとなる中、BTCは8.2万ドル台に値を戻している。
本日のBTC相場
続きはこちら
著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。