ポイント
・上下に行って来い8.8万ドル→9.3万ドル手前→8.5万ドル割れ→8.8万ドル
・戦略備蓄の大統領令署名、ファーストアクションはSell the Fact
・既存20万BTCを準備資産として保有、追加予算が発生しない形で追加購入も
・BTCはReserve、アルトはStockpile、後者は新規購入無く、売却の可能性も
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上下に行って来いの展開。
8.8万ドル(約1300万円)近辺から9.3万ドル(約1375万円)手前まで上昇、今朝方8.4万ドル(約1240万円)台まで急落、8.8万ドル近辺に値を戻す、荒っぽい展開となった。
BTCは先週7.8万ドルでセリングクライマックス気味に切り返すと、月曜日早朝のトランプ大統領の戦略備蓄に関するSNSで9.5万ドルに急騰。アルトコインも含めた構想の実現性に疑問符が付き失速すると、ウクライナへの軍事支援を停止を受け8.1万ドルまで値を下げた。
しかしゼレンスキー大統領のSNSやトランプ大統領の議会演説で和平交渉再開期待が高まり、またラトニック商務長官が金曜日の大統領主催の暗号資産サミットで戦略備蓄が発表されるとの見通しを示したこともあり9万ドル台に値を戻した。
Mt.GOXでの大口移動などもあってか9.3万ドル手前で上値を押さえられると、例によって米市場がオープンすると9万ドルを割り込んだが、SNSで戦略備蓄に関する大統領令の証明が近いとの噂も出回り相場を下支えした。
するとメキシコ向け関税が貿易自由協定対象品について1か月延長されることとなり、続いてカナダも同様となったこともありBTCは9万ドル台に値を戻した。
朝方、トランプ大統領が戦略備蓄創設に関する大統領令に署名、BTCは9.1万ドル台に値を伸ばしたが、保有20万BTCの位置づけを変えるだけで追加の購入には至らないことやSell the Fact気味の動きで8.4万ドル台に急落したものの、とはいえ一歩前進との見方もあり8.8万ドルに反発している。
本日のBTC相場
続きはこちら
著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。