ポイント

・8.1万ドルから9.1万ドルへ、1日半で1万ドル切り返す

・ウクライナが資源協定署名と和平交渉復帰の意向の書簡

・自動車部品などは1か月関税開始延期

・ラトニック商務長官、7日のサミットでBTC戦略備蓄が発表されと示唆

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は底堅い展開。

昨日未明に8.1万ドル(約1205万円)台で切り返すと、朝方8.9万ドル(約1325万円)手前まで反発。一旦8.6万ドル(約1280万円)台に値を下げたが、海外時間に9.1万ドル(約1355万円)手前まで値を伸ばしている。

BTCは先週、3月4日に延期されていたカナダ・メキシコ向け25%関税が再延期されず予定通り発動されると伝わったことを受け7.8万ドルまで急落。

しかし月曜日早朝にトランプ大統領がSNSで戦略備蓄にコメントすると9.5万ドル急騰。しかしアルトコインも含めた構想の実現性に疑問符が付き始め失速すると、ウクライナへの軍事支援を停止すると発表されたことを受け、昨日未明には8.1万ドルまで値を下げた。

しかしゼレンスキー大統領がSNSで交渉決裂に対し遺憾の意と資源交渉への復帰を表明、更にラトニック商務長官がカナダ・メキシコ向け関税の軽減を明日発表すると、BTCは8.8万ドル台まで値を戻した。

注目のトランプ大統領の施政方針演説では暗号資産に触れられず失望感が広がったが、一方でウクライナから資源協定の署名と和平協議再開に関する書簡を受け取ったことを明らかにするなど停戦交渉再開への期待感が打ち消す形で小動きを続けた。

するとラトニック商務長官がインタビューで金曜日のサミットでBTC戦略備蓄が発表される見込み出ること、BTCと他のアルトとは扱いが異なるとの見通しを示したことが伝わると、BTCは朝方の戻り高値を上抜け9.1万ドル手前まで上値を伸ばした。

独国債が歴史的な暴落(金利上昇)を見せ、また例によって米株市場がオープンすると8.7万ドル台に値を落としたが、ホワイトハウスが自動車関連部品などの輸入はカナダ・メキシコの25%関税を1か月免除するとしたことやカナダと首脳会談を連日行っていることも伝わる中、BTCは今朝方9.1万ドル台乗せに成功している。

本日のBTC相場

続きはこちら

著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。