ポイント
・8.5万ドル→9.5万ドル→8.5万ドルと上に行って来い
・7.8万ドルからの上昇の半値押し、CME先物の窓埋めで、一旦止まる水準
・戦略備蓄にアルトを加えるべきか、加えると議会通過が困難になる懸念が浮上
・加墨への関税は本日開始濃厚、軍事支援停止、大統領の議会演説とイベント続く
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は反落。
未明に8.5万ドル(約1275万円)から9.5万ドル(約1425万円)に急騰、海外時間に8.5万ドルに失速するなど上に行って来いの展開となった。
BTCはトランプ政権誕生後、市場が期待していた戦略備蓄構想が後倒しとなる中、じりじりと上値を切り下げると、それまで相場を支えていたETFフローが逆流を始め、重要なサポート8.9万ドルを割り込み下げ足を速めた。
先週金曜日のデリビットのオプションカットを無事通過すると7.8万ドルで切り返し、セリングクライマックス的な動きでCME先物の月末最終取引時限にかけて8.5万ドル近辺に値を戻した。その後、米ウ和平交渉決裂の影響もあり上昇は一服、週末はその近辺でのもみ合い推移を続けた。
月曜日未明にトランプ大統領が自身のSNSで戦略備蓄にXRP、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)を加えると投稿、更に当然ながらBTC・ETHが中心になるとし、AI暗号資産担当官のデビッド・サックス氏が3月7日に追加情報があると匂わすと、BTCは9.5万ドルまで急騰した。
しかし、コインベースのアームストロングCEO、ジェミニのウィンクルボスCEO、ビットワイズのホースリーCEOなど業界幹部の多くがアルトコインが準備対象となったことにに疑問の声を上げ、更にアルトコインを新規に購入するならば議会を通す必要があり、それはかなり困難になるといった見方が広がり、相場の重しなった。
米市場がオープンするとBTCは失速、一旦重要なサポートだった8.9万ドルにサポートされたが、3月4日のカナダ・メキシコ向け関税発動日が迫る中、トランプ大統領が農産物へ追加関税が発表され、SP500が今年最大の下げを見せる中、BTCは8.9万ドルを割り込んだ。
更に中国に対する20%の追加関税の署名、カナダ・メキシコへの関税も撤回の余地はないと発言、BTCは8.5万ドル近辺に値を下げた。
これでCME先物の窓埋めがほぼ完了、BTCは下げ渋っていたが、ウクライナへの軍事支援の停止が命じたことが伝わると8.3万ドルに値を下げている。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。