ポイント

・8.2万ドルで一旦サポートされるも、今朝方8万ドル割れ

・200日移動平均線割り込み、8月からの半値押しで下げ止まる

・カナダ・メキシコ向け25%関税は3月4日から発動、中国向けも更に10%追加

・欧州関税も反応し過ぎのきらいもあり、かなり売られすぎゾーンに入った印象も

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は続落。

朝方8.2万ドル(約1220万円)台から切り返すと8.7万ドル(約1295万円)手前まで値を戻したが、海外時間に上値を重くすると今朝方8万ドル(約1195万円)を割り込んだ。

BTCは月曜日早朝にトランプ大統領が3月4日に延期されていたカナダ・メキシコ向け関税を予定通り発動するとコメントすると三角持ち合いを逆に下にブレーク、年初来安値8.9万ドルを割り込むと下げ足を速めた。

米ウクライナ間で資源共同開発が合意されると8.9万ドル台に値を戻したが、それまでのサポートがレジスタンスとなる形で上値を押さえられると8.5万ドル台に失速。

昨日未明に8.8万ドル台に切り返したが、トランプ大統領が閣議で自動車を中心に欧州に25%を課すと伝わるとリスクオフが再燃、8.2万ドル台に急落した。

しかし8.1万ドル台の200日移動平均線にサポートされるとエヌビディアやマラソン社決算が好調で、またカナダ・メキシコへの関税が4月2日に延期されるとの情報も出回り、じりじりと8.7万ドル近辺まで値を戻した。

とはいえETFフローが3日で23億ドルの流出となる中、上値を重くすると、トランプ大統領が4月2日からとしたのは相互関税の話でファンタニル流入防止を怠ったことを理由とするカナダ・メキシコ向け関税は予定通り3月4日から発動、中国向けは既に発動済の追加10%に更に10%追加するとSNSで伝えるとリスクオフ気味に8.2万ドル台に値を下げた。

一方でSECがメタマスクを運営するコンセンシスやコインベース向けの訴訟を取り下げるとしたことやテキサスでBTC戦略備蓄法案が下院委員会を通過したことなども好感され8.5万ドル近辺に値を戻したが、日本株などアジア株が全面安となる中、BTCは200日移動平均線を割り込むと、一時8万ドルを割り込んだ。

本日のBTC相場

続きはこちら

著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。