ポイント

・年初来安値8.9万ドルを割り、一時8.5万ドル台へ

・次の目途は9月からの上昇の半値押しと200日移動平均線が重なる8.1万ドル

・トランプラリーの半値押し8.8万ドルで下ひげを付けてサポートされる可能性も残る

・ウクライナ和平で進展、米長期金利も低下し、材料的には悪くない

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は続落。

先週金曜日から土曜日にかけて9.9万ドル(約1475万円)台から9.5万ドル(約1415万円)近辺に下落。昨日朝方9万ドル(約1340万円)台に急落すると、欧州時間に年初来安値8.9万ドル(約1325万円)を割り込むと、米州時間に8.6万ドル(約1280万円)を割りんだが、足元では一時8.9万ドルに値を戻している。

BTCは1月にバイデン政権が政権交代前に駆け込みで政府保有BTCを売却するとの懸念から1月13日に8.9万ドルと年初来安値を付けると、トランプ政権誕生への期待感もあり就任直前に10.9万ドルの史上最高値を付けた。

しかし市場が期待していた戦略備蓄創設が後倒しとなり、更にカナダ・メキシコ・中国向け関税案が浮上で9.1万ドル台に急落。カナダ・メキシコへの課税延期で反発すると、その後は上値を切り下げ、下値を切り上げる三角持ちを形成した。

先週末に一時その三角持ち合いを上抜けたかに思えたが、グローバル交換所大手Bybitにて40万ETH、14億ドル相当のハッキングが発生、BTCは一時9.5万ドルを割り込んだ。

更に昨日朝方、トランプ大統領が延期になっていたカナダ・メキシコ向け関税を3月4日予定通り前進させると発言するとリスクオフ気味に急落、一時9万ドル台まで値を下げた。

午後に入り欧州勢が加わるとETFフローが5億ドルを超える流出となったことが判明、年初来安値8.9万ドルを割り込み8.6万ドル台まで下落した。モンタナ州に続き、サウスダゴダ州でもBTC戦略準備法案が否決・廃案となったことも影響したか。

一旦8.9万ドル台に値を戻したが米州時間に入り例によって米株市場がオープンすると失速、一時8.6万ドルを割り込んだ。

しかし、米消費者信頼感が大幅悪化、ベッセント財務長官が金利低下発言もあり米長期金利が低下するとBTCは下げ渋り、5年債入札が好調、メキシコの経済相が関税交渉に楽観的見方を示し、米ウクライナ間で鉱物資源共同開発で合意したと伝わるとリスクオン気味にBTCは8.9万ドルに値を戻した。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。