ポイント
・下降チャネルの上限に上値を押さえられ、9.6万ドルを挟んでのもみ合い
・自動車関税、ウクライナ停戦巡る混乱うけても独株は史上最高値更新
・バーンスタインが戦略備蓄にポジティブなレポート
・ETHに物色買い、市場心理は好転しつつあるか?
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場はもみ合い推移。
週末は概ね9.7万ドル(約1475万円)台で推移していたが、朝方弱含むとしばらく9.6万ドル(約1460万円)を挟んでのもみ合い推移を続けていたあと、海外時間に9.7万ドルにワンタッチするも失速。9.5万ドル(約1445万円)台前半で切り返すと、9.6万ドル台に値を戻している。
BTCは、先々週のメキシコ・カナダ・中国向け関税を巡り乱高下した後は、下降チャネルを形成した。
先週は鉄鋼・アルミニウムに続き、木曜日の相互関税、週末には自動車関税の導入が言及されたが、4月以降の導入予定となったこともあり、市場の反応は徐々に薄れ、週末のBTCは小動きを続けた。
しかし関税問題やウクライナ和平問題などへの不透明感もあり、CME先物オープン前後に値を崩したが9.6万ドル近辺で下げ渋った。
先週末にアルゼンチンで立ち上がった同国の中小企業を支援するとの触れ込みのLIBRAトークンがローンチ直後に運営が大量の売りを浴びせるいわゆる「出口詐欺」ではないかと指摘され、その広告塔の役割をミレイ大統領が担ったのではないかとの見方が広がったが、相場への影響は限定的だった。
欧州時間に入ると、ウクライナ問題で防衛力強化が求められたこともあってか独株が史上最高値を更新するなどリスクオンムードが広がり、また出遅れていたETHに物色買いが入るとBTCはじりじりと値を上げた。
相場分析で定評がある運用会社バーンスタインがホワイトハウスのタスクフォースの優先事項が戦略備蓄の創設であり、資金捻出のために金準備を売却する可能性があるとし、BTC相場は新たな段階に入ったとレポートしたことも影響したか。
しかしETHがピークアウトするとBTCも失速、9.5万ドル手前でサポートされると、足元では9.6万ドル台に値を戻している。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。