ポイント
- 10万ドル台で跳ね返されると、一時4万ドルに急落
- シリアの地政学リスク、NVIDIAへの中国当局調査、入札前の金利上昇でリスクオフ
- 年末越えの資金繰りを巡る駆け引きから、この時期はリスクオフになり易い
- 三角持ち合いを形成、ブレークは明日のCPI後か
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は反落。
朝方、101,000ドル(約1535万円)台半ばで上値を押さえられると98,000ドル(約1490万円)近辺に値を落としたが、海外時間に再び10万ドル(約1520万円)台に乗せるも失速。今朝方94,000ドル(約1430万円)台に急落するも98,000ドル台に反発するなど荒っぽい展開となった。
BTCは先週104,000ドル台で上値を重くすると、101,000ドル台半ばをネックラインとするダブルトップを形成、レジスタンスとなり、週末は10万ドルを挟んでのもみ合い推移を続けた。
週末、シリアの反政府勢力がアサド政権を転覆、一時98,000ドル台に値を落としたが、CME先物が窓を開けて始まると、窓埋め方向に上昇、101,000ドル台に値を伸ばした。しかしダブルトップのネックラインに跳ね返されると、CBSの人気TV番組60ミニッツにリップル社のガーリングハウスCEOが出演、後に本人もSNSで指摘した様に同社のSECへの勝訴を歪める内容だったこともありXRPが失速、BTCもじりじりと値を下げていった。
海外時間に入ると、中国がエヌビディアを独占禁止法違反で調査、時間外取引で同社株が失速、IMF融資と引き換えにエルサルバドルが企業にBTC受取義務を免除する法改正するとFTが報じたこともあり、BTCは一時98,000ドルを割り込んだ。
しかしマイニング大手ライオット社がBTC購入資金として5億ドルの転換社債を発行、マイクロストラテジーも21億ドル分のBTC購入を発表する中、BTCは切り返し10万ドルにワンタッチした。
その後、朝方の高値を更新できずにいると、シリア情勢にかかる地政学リスクから金や石油価格が上昇、今晩からの入札を控え米長期金利も上昇する中、米株も失速するリスクオフの流れを受け、BTCは先物市場で10億ドル以上のロングポジションの清算を巻き込みながら94,000ドル台に急落、足元絵は98,000ドル台に値を戻している。
本日のBTC相場
続きはこちら
著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。