著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・70,000ドル回復、7月の高値抜け71,000ドルワンタッチ
・イランの反撃なく原油価格低下
・米債入札は不冴えも、米長期金利は低下
・時間が経過するほどトランプ氏当選やイランの反撃見送りの可能性が高まる構図
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上昇。
週末に65,000ドル(995万円)台で切り返すと、月曜日には68,000ドル台を回復、今朝方70,000ドル(約1070万円)にワンタッチした。
BTCは先週初月曜日に69,000ドル台に上伸したが7月29日の高値70,000ドルに上値を押さえられ失速。先週末に69,000ドル手前に回復するも、イスラエルによるイラン攻撃などを受けダブルトップを形成し65,000ドル台半ばに値を落とした。
しかし、攻撃の対象が軍事施設に集中、核や石油施設に被害が出なかったこともあり切り返し、イランの外務省の比較的落ち着いた声明などもありBTCはじりじりと値を戻し始めた。
CME先物市場がオープンすると原油価格が低下、また与党敗北後の日本株も切り返したことからリスクオンムードの中、BTCは68,000ドル台に値を伸ばした。
更にイランの最高指導者ハメネイ氏がイスラエルにイランの強さを見せつけるとしつつも具体的な報復には言及せず、BBCもイランはイスラエルの国際法違反を訴えると報じたこともあり同国は直ちに軍事的に報復しないとの見方が広がった。
また、資産運用大手ヴァンエックの担当者がBTCが世界の外貨準備がシフトすることにより3百万ドルに上昇するとCNBCでコメントする中、米市場がオープンすると69,000ドル台に値を伸ばした。
先週月曜日の高値にいったんは上値を押さえられたが、米2年、5年債入札は不冴えだったが、入札通過後、米長期金利が低下に転じたこともあり、リスクオンムードの中、BTCは70,000ドル台乗せに成功、7月の高値を更新すると71,000ドルにワンタッチした。