著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・70,000ドルにワンタッチ
・米政府保管3万BTCが移動
・ハリス氏の副大統領候補に反暗号資産派ゲイリー・ピータース上院議員浮上
・70,000ドルクリアにはFOMCや雇用統計での9月利下げへの後押しが必要か
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上に行って来いの展開。
67,000ドル（約1030万円）台から徐々に値を上げ70,000ドル（約1075万円）にワンタッチするも、66,000ドル（約1015万円）台に失速している。
注目の土曜日のカンファレンスでのトランプ氏の講演では、ゲンスラー委員長の解任、外貨準備でのBTC保有、米国は暗号資産の首都と表明。市場はSell the Factで一旦66,000ドル台に急落したが、市場の予想を上回る内容だったことで切り返すと、再び69,000ドルにワンタッチするなど乱高下を繰り返した。
その後67,000ドル台での推移が続いたが、CME先物がオープンすると、週末のトランプ発言が意識されてか69,000ドル台に値を伸ばした。但し、土曜日に付けた戻り高値はクリアしたものの、アジア時間は70,000ドル手前で上げあぐんでいた。
海外時間に入ると、ETH ETFからの流出にも拘らず先週のファンドフローがプラスとなったことも好感され70,000ドルワンタッチに成功するも失速、一旦68,000ドル近辺で下げ止まったが、米国政府のウォレットから約30,000BTCの移動があったことが判明、大口の売りが懸念され66,000ドル台に急落した。
この移動が売り準備なのか、既にOTC市場で売却済なのか、単なるウォレット間移動なのか様々な憶測が流れる中、一旦は67,000ドル台に値を戻した。
しかし、AXIOSがハリス候補の副大統領候補としてミシガン州選出の上院議員で反暗号資産派のゲイリー・ピータース氏が急浮上していると報じたのを嫌気して、今朝方BTCは一時66,000ドルを割り込んだ。