著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・70,000ドル台から66,000ドル近辺まで下落
・ETH・BTCの大口移動で売り警戒感
・ETFフローもマイナス、連続流入記録は19日でストップ
・66,000ドル割れればダブルトップ完成で走りやすいか
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は下落。
未明から早朝にかけ70,000ドル（約1100万円）台で上値を重くすると、68,000ドル（約1085万円）割れに急落、海外時間に入ると更に値を下げ、66,000ドル（約1040万円）近辺で下げ止まった。
BTCはNY連銀調査の期待インフレ率が低下したこともあり一昨日から昨日未明にかけて70,000ドル台に乗せたが、米3年債入札が不調に終わり、リスクオフ気味に69,000ドル台に値を落とした。
朝方、約11億ドルに相当する30万ETHがコインベースに送金されたことが判明すると大口の売り準備との懸念からETHが急落、BTCも一時68,000ドルを割り込んだ。
世界最大の銀行のひとつ中国工商銀行（ICBC）がレポートでBTCやETHを賞賛したこともありBTCはやや値を戻したが、月曜日のETFフローが▲65百万ドルと連続流入記録が19日で途切れたことも嫌気され、午後には68,000ドルをしっかり割り込んだ。
海外時間に入り11億ドルに相当する16,000BTCがコインベースに送金されると、BTCは66,000ドル台前半に値を下げた。この、下抜けるとダブルトップが完成してしまう5月23日の安値水準で何とかサポートされると、注目の米10年債入札が予想に反して好調だったことから米長期金利が低下、BTCは67,000ドル台に切り返した。
しかし半値戻しとなる68,000ドル手前で上値を重くすると、火曜日のETFフローが各社軒並みマイナスで、IBIT分が判明する前の段階で2億ドルのマイナスと2日連続流出の可能性が高まり、66,000ドル台に弱含んでいる。