著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・高値圏でのもみ合いも、今朝方ETF承認の誤情報で乱高下

・Valkyrie、VanEckともに10日承認、11日ローンチを予想

・XのSEC公式アカウントからETF承認の誤情報、ハッキング説や誤送信説も

・ブルームバーグのアナリストは明朝6時から7時の承認を予想

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は上昇後、高値圏でのもみ合い。

未明に45,000ドル(約650万円)近辺から47,000ドル(約675万円)台に急伸。今朝方は48,000ドル(約690万円)一歩手前まで急騰、直後に45,000ドル近くに急落するなど乱高下を見せた。

週明けにETF申請各社が最後の書類とされたS-1フォームを提出、これを受けてCNBCなども1月10日の承認を予想、BTCは年初来高値を更新して47,000ドル台に上昇した。

後は承認を待つだけと思われたが、SECが提出されたS-1にコメントを出し、修正が必要となったことで9日中の承認の可能性がほぼ消滅、BTCは46,000ドル台に値を下げた。

しかし、9日に再修正を提出することで10日承認の可能性が残っているとの認識が広がり、BTCは下げ渋った。

するとETFを申請中のValkyrieやVanEck社から10日承認、11日ローンチの見通しが示されBTCは何度か47,000ドルにタッチした。

しかし昨日に続きゲンスラーSEC委員長が暗号資産投資家に警鐘を鳴らしたこともあり同水準で上値を重くしたが、連日の警鐘はETF承認に向けた動きとの見方も出回った。

するとXのSEC公式アカウントからETF承認を伝える誤ポストが発信されBTCは48,000ドル手前に急騰したが、ブルームバーグが確認したところSECがこれを否定、続いてゲンスラー委員長もアカウントがハッキングされたものだと承認を否定したことで45,000ドルに急落するなど乱高下、結局46,000ドル台後半での取引となっている。

今回の誤ポストに関しては、アカウントがハッキングされたとの見方がある一方で、明朝出すはずのポストが誤って発信されたのではとの見方も一部で出回っている。いずれにせよ、投資家を保護するためとして暗号資産市場への警鐘を強めていたSEC自らが市場の混乱を招く結果となってしまった。

本日のBTC相場

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。