著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・FOMC後に27,000ドル割り込むも切り返す

・FOMCでは2024年、2025年の金利見通しが引き上げられたのがサプライズ

・長期金利は上昇したが、利上げの織り込みにあまり変化はない

・FOMCの将来予想はあてにならず、市場は徐々に落ち着きを取り戻すのでは

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い推移。

何度か27,000ドル(約400万円)を割り込むも、その都度サポートされ、概ね27,000ドル台前半での底堅い推移となった。

BTCは先週のCPIやFTX売却といった売り材料をこなすと、週明けに27,000ドル台乗せに成功。

一目均衡表の雲の下限と200日移動平均線に跳ね返され26,000ドル(約385万円)台に値を落としたが、野村ホールディングスの子会社がBTCファンドを立ち上げたとの報もあり27,000ドル台にしっかりと乗せてきた。

昨日は、FOMCを控え様子見姿勢が強まる中、BTCは概ね27,000ドル台前半での取引が続いた。

そのFOMCでは事前予想通り政策金利は据え置かれたが、参加メンバーの将来見通し、いわゆるドットチャートで、2024年と2025年の政策金利が前回の4.6%、3.4%から5.1%、3.9%にそれぞれ0.5%ずつ上振れしたことを受け、米長期金利が急上昇した。

更にパウエル議長の記者会見で「適切であれば、追加利上げの用意がある」としたことで長期金利は更に上昇、米株も売られるなどリスクオフ・ドル買いの流れの中で、BTCは一時27,000ドルを割り込んだ。

しかし、この水準で切り返すと、27,000ドル台前半に値を戻している。

本日のBTC相場

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