著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・27,000ドル、400万円にしっかり乗せる

・カナダCPIと原油高で米10年債は2007年来の高水準

・一目均衡表の雲の中に突入

・FOMCで年内据え置きの見通しが示されればBTCは28,000ドルトライも

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は底堅い展開。

BTCは週明けに27,000ドル(約400万円)台乗せに成功すると、昨日未明に26,000ドル(約385万円)台後半に値を落としたが、海外時間に27,000ドル台を回復。高値圏でのもみ合いながら、若干高値を切り上げ、27,000ドル台にしっかり乗せるなど、底堅さを見せている。

BTCは先週のやや強めのCPIやFTX保有分のトークンの売却許可といった売り材料をこなし、8月末に付けた28,000ドル台と9月の安値25,000ドル割れの半値戻しとなる26,500ドル上抜け、全値戻しが見通せるようになった。

週末を通して26,000ドル台半ばで下げ渋ると、週明けにじりじりと値を上げ始め、海外時間に入ると27,000ドル上抜けに成功した。

しかし、200日移動平均線や一目均衡表の雲に跳ね返されると、NY当局が暗号資産の上場基準厳格化を提案、XRPとドージコインをグリーンリストから削除、またSECがバイナンス米国法人の査察を裁判所に要請したことなども嫌気され26,000ドル台に失速した。

しかし、裁判所はSECの要請を却下、BTCは底堅さを見せると、野村ホールディングスの子会社レーザー・デジタルが暗号資産ファンドを設立すると伝わるとBTCは27,000ドルを回復した。

カナダのCPIが高めに出たことや原油価格の上昇を受け、米10年債金利が昨年10月の高値を上抜け2007年来の水準に上昇。BTCはリスクオフ気味に一時27,000ドルを割り込んだが、その水準から切り返し27,000ドル台前半で底堅く推移している。

本日のBTC相場

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