著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・30,000ドル割れ
・モルガンスタンレー、バンク・オブ・アメリカと大手米銀の好決算続く
・6月30日に付けた安値29,500ドルでサポートされる
・積極的売り材料が出た訳でなく、派手な買い材料が一服したことによる調整売りが主か
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上値の重い展開。
昨日未明に30,000ドル(約415万円)を割り込んだ際には切り返したが、昨晩から今朝方にかけて再び29,000ドル(約400万円)台に値を下げると、30,000ドルに戻せずにいる。
SECとの裁判でのリップル側の一部勝訴と米国内の交換所での再取扱によるXRP急騰を受けBTCも年初来高値を更新したが、XRPが反落する中、BTCは30,000ドル台に値を落としていた。
昨日未明に30,000ドルを割り込んだが、すぐさま切り返し30,000ドル台に値を戻していた。しかし、戻りも限定的で、その後は30,000ドルを挟んでのもみ合い推移が続いた。
海外時間に入ると、モルガンスタンレーとバンク・オブ・アメリカの決算が好調で、先週末のJPモルガン、CITIと合わせて、米銀の好決算が続いたことで金融不安懸念は払しょくされたとの見方からかBTCは30,000ドルを大きく割り込んだ。
その後、この決算を受け米株が上昇すると切り返したが、30,000ドルにワンタッチしたところで上げ渋っていると、今度は米株の上昇が一服、米長期金利も上昇する中、BTCは失速した。
BTCは6月30日につけたレンジの下限29,500ドル手前でサポートされ、足元では何とか30,000ドルには戻している。