著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・27,000ドル近辺でのもみ合い

・SECの強硬姿勢嫌気し上値重い

・FRB高官発言続くも6月利上げの有無は次のCPI次第

・債務上限交渉も先送りで方向感出にくいか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場はもみ合い推移。

27,000ドル(約365万円)半ばで上値を押さえられると、27,000ドルを挟んでの小動きに終始、上値は重いが、下値も切り上げている。

BTCは週末に26,000ドル(約350万円)割れから反発すると、昨日未明には27,000ドル台半ばまで値を伸ばした。

しかしアトランタ連銀主催のイベントでゲンスラーSEC委員長が暗号資産の規制が不明確なのではなく、規制は既に存在していて多くの暗号資産業者が順守していないだけだと述べたことが伝わると、BTCは上値を重くした。

更にコインベースの訴えに対し裁判所がSECに同社の質問に回答するように命じたことに対し、裁判所に異議を唱え回答を拒否する姿勢を示したことも嫌気され、27,000ドルを割り込んだ。

その後、27,000ドル台を回復したが、イエレン財務長官が債務上限が引き上げられなければ6月1日にも資金不足に陥ると繰り返したこともあり、BTCは上値を重くした。

しかし、長官は米長期金利が上昇する可能性を示唆、その後発表された米小売売上高は前月からの回復を示す内容だったこともあり長期金利が上昇、ドル高円安が進んだ結果、円建てのBTC価格は底堅く推移した。

注目の大統領と議会関係者の債務上限交渉は短時間に終わり、進展がなかったことを悲観した米株売り、BTC売りが若干見られたが、共和党のマッカーシー下院議長は両者の隔たりは大きいが、週内での合意に自信を見せたこともあり、市場の反応は限定的で、BTCは27,000ドル近辺での取引が続いている。

本日のBTC相場

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