著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・23,000ドル台での取引
・中国経済復調期待で、アジア買い、ドル売りで、BTC買い
・ISMでの支払価格指数上振れ、暗号資産株格下げで失速
・まだ23,000ドル台を上下に抜ける決定打は出ていない
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場はもみ合い推移。
23,000ドル(約315万円)近辺でサポート、反発するも、24,000ドル(約325万円)一歩手前で跳ね返され、結局、23,000ドル台での取引に終始した。
BTCは、23,000ドル台半ばでもみ合い推移を続けていたが、昨日未明にマイニング大手のマラソン社の決算発表が延期、グルーズビー新シカゴ連銀総裁のタカ派発言などもあり23,000ドル近辺に値を下げた。
しかし、中国の製造業PMIが52.6と10年ぶりの高水準となり、アジア景気回復期待からアジア通貨が全面高、ドル売りの流れが強まる中、BTCは23,000ドル後半に値を上げた。
しかし、24,000ドルまであと僅かで跳ね返されると、ISM製造業景況感指数が47.7と予想48.0を若干下回ったが、支払価格指数が51.3と予想46.5を大きく上回り、米長期金利が上昇する中、BTCは上値を抑えられた。
今年投票権を持つカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が3月利上げ幅が25bpか50bpかはまだ決めていないとしたことも、市場の重石となったか。
更に、Moody’sがコインベースとシルバーゲートを格下げしたとWSJが報じると、BTCは23,000ドル台半ばに値を下げた。
その後、シルバーゲートはゴーイングコンサーン(事業継続の前提)を精査するため決算発表を延期したが、BTCは下げ渋っている。