著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・21,000ドル台でのもみ合い
・一時、21,500ドルを抜け、FTX破綻後の下げの全戻しに成功
・弱いNY連銀指数で米株下落も、暗号資産関連株は堅調
・本日の日銀は変更ありでBTC買い、変更なしで売り方向も円建て価格の変動は限定的か
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。
21,000ドル(約270万円)台前半での取引が続いたが、一時、21,500ドルを抜けて、11月5日の戻り高値を僅かに更新、FTX破綻による下げの全戻しに成功した。
一昨日は米市場が休日だったこともあり目立った材料に欠ける中、BTCは堅調な地合いを引き継ぎ、レンジを若干切り上げたが、11月5日に付けた21,500ドルに上値を抑えられていた。
3連休明けの米長期金利が上昇して始まったこともあり、ドル買いの流れで、BTCは上値を重くしたが、21,000ドル割れでサポートされると、しばらく21,000-21,500ドルの狭いレンジでの取引が続いた。
海外時間に入ると、NY連銀製造業景況感指数が‐32.9と予想‐8.7を大きく下回り、米長期金利が急低下、BTCは上昇し11月5日の高値を僅かに上抜けた。
しかし、この数字やゴールドマンサックス(GS)の決算が予想を下回ったことを嫌気して連休明けの米株が大きく下げて始まると、BTCも失速した。
しかし、シルバーゲートやコインベースなど暗号資産関連株が堅調に推移したこともあり、BTCは21,000ドルでサポートされると、その後も底堅く推移している。