著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・20,000ドルを挟んでのもみ合い

・米雇用統計では、労働参加率低下で労働市場需給緩和、インフレ鈍化期待

・ガスプロムのノルドストリーム再開延期でリスクオフ

・今週はOPECプラス、レイバーデイ明け、ECB理事会、FRB高官発言とイベント続く

週末のBTC相場

週末のBTC相場は引き続き20,000ドル(約280万円)を挟んでのもみ合い。

米雇用統計後、20,000ドル半ばまで値を伸ばすも、その後失速。週末は20,000ドルに上値を抑えられたが、今朝方同水準を回復している。

木曜日に米株が5日ぶりに前日比プラス圏で引けるとBTCは20,000ドルを回復、注目の米雇用統計がインフレ鈍化を示す内容だったとの認識から20,000ドル台半ばに上昇した。

その雇用統計だが、非農業部門雇用者数は31.5万人と予想(29.8万人)とほぼ同水準、平均受給は前年同月比+5.2%と前月と変わらなかった。

しかし労働参加率が62.1%から62.4%に上昇、この結果失業率が3.5%から3.7%に上昇したことで、労働市場の需給緩和、インフレ鈍化要因として好感され、9月FOMCでの75bp利上げ観測がやや後退した。

またG7がロシア産原油に上限価格設定で合意したこともインフレ抑制を期待させると歓迎されたが、ロシアが技術的な問題を理由にノルドストリームを通じた欧州へのガス供給再開を延期。米株は前日比でマイナス圏に失速、BTCは20,000ドルを割り込んだ。

週末は20,000ドルに上値を抑えられたが、今朝方同水準にワンタッチした。

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