著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・引き続き21,000ドル台でのもみ合い

・パウエル議長講演を控え、更にレンジが狭まる

・FRB高官の発言は①9月は未定②しばらく利下げはしないで一致

・市場の利下げの思惑が修正される可能性がある

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は引き続きもみ合い。

引き続き21,000ドル台での取引が続く中、22,000ドル(約300万円)をトライするも失速すると、21,000ドル半ばで様子見姿勢が強まった。

26日のジャクソンホールでのパウエル議長講演への警戒感からリスクオンの巻き戻しが続いていたが米株市場だが、一昨日は4日ぶりに反発すると、BTCは22,000ドルをトライした。

しかし一目均衡表の雲の下限に上値を抑えられると、マイニングチップ大手のNVIDIAの決算が奮わなかったこともあり、やや失速した。

ボスティック・アトランタ連銀総裁のデータ次第では9月75bp利上げもあり得るとのコメントをダウジョーンズが伝えたのを皮切りに、BloombergTVでジョージ・カンザスシティ連銀総裁のFRBは9月の利上げ幅を決めるのは時期尚早だがFF金利を4%以上にすることに疑問の余地はないとコメント、CNBCとのインタビューでハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は9月はまだ未定だがFF金利を3.4%以上にしたいとし、ブラード・セントルイス連銀総裁は年末までにFF金利を3.75~4%まで引き上げたいとするなど、ジャクソンホールに集まったFRB高官からの発言が相次いだ。

しかし、パウエル議長の講演が間近に迫っているせいか、市場の反応は限定的だった。

一方、米GDPの改定値は上方修正されるもマイナス成長のままで、その後、7年国債入札が好調だったことを受け米長期金利が低下、米株が上昇したが、BTCは小動きに終始した。

本日のBTC相場

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。