イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションであるポリゴンの共同創業者ミハイロ・ビェリッチ氏が、ポリゴンの役職を退任する意向を明らかにした。ただし、仮想通貨業界における活動は今後も継続する見通しだ。
ビェリッチ氏は5月23日、Xへの投稿で「熟考を重ねた結果、ポリゴン財団の理事職を退くとともに、ポリゴン・ラボにおける日常業務からも身を引くことに決めた」と語った。
さらに、「今後も陰ながら応援し、可能な限り支援していく」と付け加えた。
「プロジェクトが成長し進化するなかで、ビジョンが変化あるいは乖離することは自然なことだ。こうした状況では、もはや自分の能力を最大限に発揮して貢献することは難しいと感じた」
共同創業者のサンディープ・ネイルワル氏は、ビェリッチ氏のこれまでの貢献を称賛し、「ポリゴンというプロジェクトを形作る上で、常にその背後にいた存在だった」と述べた。
ビェリッチ氏は、「仮想通貨への情熱はこれまでと変わらない」と強調し、今後も業界内で何らかの形で活動を続ける意向を示している。
「今後もどこかで見かけることになるだろう」とコメントしているが、ビェリッチ氏の今後の具体的な活動内容は現時点では明らかにされていない。
この退任には仮想通貨業界内からも様々な反応が寄せられた。アーベチャン・イニシアティブの創設者マーク・ゼラ氏は「ポリゴンにとって大きな損失」と述べ、ポリゴンのマーケティング責任者レオン・スターン氏は「これまでの貢献に感謝し、これからの活躍を祈る」と語った。スケール・ネットワークのジャック・オホレランCEOも、「これまでの成果を誇りに思ってほしい」とコメントした。
なお、ポリゴンでは過去2年の間にも創業初期の主要人物であるジェインティ・カナニ氏とアヌラグ・アルジュン氏が退任している。アルジュン氏は、ポリゴンから分離したWeb3向けのデータ可用性およびコンセンサスレイヤー「アベイル」の独立を機に、同プロジェクトを主導する立場に移行した。