オンチェーン分析企業グラスノードによると、仮想通貨デリバティブ市場が活発化しており、年末の相場上昇を見越して、永久先物の建玉が増加している。
グラスノードは月曜日、ビットコイン(BTC)の価格が一時9万ドルに接近する中、永久先物の建玉(OI)が30万4000BTCから31万BTCへと増加したと指摘した。
同時に、資金調達率も0.04%から0.09%へと上昇しており、デリバティブ市場のトレーダーが年末にかけた相場の動きを見込んでポジションを積み増していることを示している。
グラスノードは「この組み合わせは、レバレッジをかけたロングポジションの再構築を示しており、永久先物のトレーダーが年末の値動きを意識してポジションを取っている状況を示唆している」と述べた。
ビットコインの永久先物は満期のない先物契約だ。ロングとショートの保有者間で支払われる資金調達率と呼ばれる仕組みによってポジションの調整が行われている。
資金調達率上昇は強気の兆し
資金調達率が上昇する局面では、永久先物価格が現物価格を上回り、ロングポジションを維持するためにプレミアムを支払ってでも強気に賭けるトレーダーが増えていることを意味する。
一方で、資金調達率が過度に高まる場合、市場の過熱や、レバレッジをかけすぎたロングポジションの積み上がりによる調整リスクを示すこともある。
ビットコインは9万ドルを明確に上抜けることができず、執筆時点では8万8200ドル付近まで押し戻されている。

年末のオプション満期が控える
市場のボラティリティは、12月26日に予定されている年末の大規模なビットコイン・オプション満期によって、さらに高まる可能性がある。
この日は、想定元本ベースで230億ドル超に相当するビットコイン・オプション契約が満期を迎える見通しで、史上最大級のオプション満期イベントの1つとされている。四半期末や年末の満期は、通常の週次や月次の満期と比べて規模が大きい。
デリビットのデータによれば、コール(ロング)契約は10万ドルおよび12万ドル付近の行使価格に集中している一方、プット(ショート)契約は8万5000ドル付近に集中している。
プット・コール比率は現在0.37と、ショートよりもロング契約が大幅に多い状況にある。コイングラスによると、最大の損失が発生しやすい「マックス・ペイン」は9万6000ドルとされている。
現物価格が上昇しなければ、これらの契約の大半は満期時に無価値となる見通しだ。マックス・ペインまでに7500ドルの乖離があることは、高い行使価格に賭けた強気ポジションが過度に楽観的であり、損失を被る可能性が高いことを示している。

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