NFTの熱狂がついにビットコインにまで到達した。

オーディナルズという企業が、ビットコインのプロトコルにNFTを実装したと発表。1ビットコインを1億サトシに分割し、それぞれにスマートコントラクトでデータを記録することで、NFTを発行する仕組みだ。

オーディナルズの発表以降、ビットコイン基盤のNFTの人気は急上昇。BitMEXの調査によると、ビットコインのブロックチェーン上には、現在、1万3000以上のオーディナルズ版のNFTが発行されている

ビットコインのコミュニティ内において、NFTの登場について賛否両論の意見が巻き起こっている。デジタルゴールドとして保有する以外に用途がないビットコインにNFTというユースケースが追加されたと歓迎する声がある一方、ネットワークに取引の渋滞を巻き起こし手数料が高騰する上、P2P取引という思想から逸脱するという批判の声がある。

ビットコイナーとして知られるダン・ヘルド氏は、ビットコインNFTの登場によってブロックスペースへの需要が増し、全体的にプロトコルのセキュリティが向上すると評価。対照的に、ブロックストリーム社のアダム・バックCEOは、単なるブロックスペースの無駄遣いであると述べた。

ビットコイン基盤のNFTの盛り上がりはしばらくおさまりそうにない。元々イーサリアム基盤のNFTコレクティブであるオンチェーン・モンキー(OnChain Monkey)の価格は、ビットコインでNFTの一部を発行したあと、2倍に上昇した。クリプトスラムによると、ビットコインの取引量は1万2200%上昇し、2021年5月以来の高水準を記録した。

オーディナルズのビットコインNFTは、単なるソフトウェアのアップグレードではない。ビットコインの文化を変えるアイデアになるかもしれない。新鮮なアイデアを取り入れ続けることで、ビットコインは進化を続けるだろう。

 

著者 Ledger

プロフィール:2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。公式サイト:https://www.ledger.com/ja